2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・身障者のための衣服へのアプローチとその試作・評価
Project/Area Number |
15300247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
島崎 恒蔵 日本女子大学, 家政学部, 教授 (50060695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松梨 久仁子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (20184244)
渡辺 聰子 山野美容芸術短期大学, 美容福祉学科, 教授 (70320827)
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Keywords | 衣服 / 高齢者 / 障害者 / 車いす / パンツパターン / 縫い代 / ストレッチ素材 / 引張特性 |
Research Abstract |
まず本研究で用いる布地の収集と布物性の測定を行った。ストレッチ性素材60種、非ストレッチ性素材40種の織物素材を収集した。収集布について布厚さ、平面質量、引張り特性値、せん断特性値などを変数として主成分分析を行い、ストレッチ性素材と非ストレッチ性素材を第1主成分と第2主成分のプロット図において、ある程度のグループ分けを行った。 次に予備実験として、健常者4名を被験者にして立位および座位における計測を行った。その結果、ウエスト部の周径については、座位姿勢における計測値は立位姿勢における計測値と比較して、0.3%から5%程度の増加、臀部の周径については、座位での計測値は立位時と比較して、5%から13%の増加が認められた。また、ヒップラインから臀溝位置までの長さは、立位と座位で比較するといずれの被験者においても座位姿勢では40%程度増加し、臀溝から膝窩で20%程度の増加がみられた。このような立位から座位への姿勢変化に伴う身体の寸法変化は、座位姿勢に適した衣服製作に欠かせないものであることが示唆された。姿勢変化に伴うヒップラインから臀溝までの長さ変化をパンツパターンに取り込み、パンツを作製し着用評価を行った結果、寸法変化を考慮に入れないパターンと比較するとより美しい外観が得られることが確認できた。 素材と縫製に関する問題としては、各種ミシンステッチを用いて様々な縫い代を縫製し、その触感(存在感)について検討した。その結果、厚地の布地は偏平縫いミシンで縫い代始末をすることにより縫い代の存在を感じにくくなるが、薄地の布は逆に縫い代部の存在が強調される。縫い代を割ったり片倒ししたものは、柔らかい感触となるが縫い代が動く欠点もある。このような様々な縫い代部の触感については、その形状や物性値とともに更に解析したい。
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