2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・身障者のための衣服へのアプローチとその試作・評価
Project/Area Number |
15300247
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
島崎 恒蔵 日本女子大学, 家政学部, 教授 (50060695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 聰子 山野美容芸術短期大学, 美容福祉学科, 教授 (70320827)
松梨 久仁子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (20184244)
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Keywords | 衣服 / 高齢者 / 障害者 / 車いす / パンツ / ストレッチ性 / 縫い目の伸長性 / 縫い目の笑い |
Research Abstract |
(1)縫合部(縫い目部分)の性質については、同一素材でミシン機種、縫製条件を種々変化させ縫製実験を行った結果、縫い目の伸長性と笑いはミシン機種の特徴のみならず、縫製張力とバランス、ステッチ密度、差動比の設定により幅広くコントロールでき、縫製へ応用可能である。 (2)老人介護施設において高齢者の座位姿勢における身体計測を行ったが、被験者の健康状態、座位状態など個人差が非常に大きく、その計測データの処理については若年者との比較も含め、目下検討中である。 (3)健常高齢者用の立位殿囲計測値パンツと座位殿囲計測値パンツをデニム地により製作し、着用実験を行った。その結果、立位姿勢から座位姿勢への変化に伴い、立位パンツは後ろ股上分量が不足しウエストラインから大きくずり下がるが、座位パンツは殿囲にゆとりがあるため、ずり下がりが多少解消された。ストレッチ性のある布で同様に立位及び座位パンツを製作したところ、ストレッチ性の増加に伴い後ろ股上の不足が補われ、後ろウエストラインからのずり下がりは大幅に改善された。また臀部における生地の引きつれも少なくなっていくことが、画像処理によっても確認できた。 (4)立位姿勢及び座位姿勢でのウエストライン〜膝窩の寸法増加に着目し、後ろ股上部分の切り開き分量の検討を行った。ヒップライン上にダーツ状に切り開き分を縫い込み、そのダーツをほどくことによって切り開き量を調節した。切り開き量の増加に伴い、後ろウエストラインの下がり量は減少し座位姿勢では美しい外観が得られる。しかし、切り開きを入れた座位パンツは立位姿勢で着用した場合、だぶつきを生じ見苦しい。一方、2wayストレッチ素材は後ろ股上に切り開きを入れることによって殿囲は立位寸法でも充分に美しい外観が得られ、立位及び座位姿勢共に満足できるパンツが製作できた。
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