2003 Fiscal Year Annual Research Report
プラスチック成形加工技術を応用した米粉100%パンの開発と発泡メカニズムの解析
Project/Area Number |
15300250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西岡 昭博 山形大学, 工学部, 助手 (50343075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 辰宏 山形大学, 工学部, 助手 (60344818)
小山 清人 山形大学, 工学部, 教授 (60007218)
池田 進 山形大学, 工学部, 教授 (30007025)
藤井 恵子 日本女子大学, 家政学部, 講師 (20186480)
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Keywords | 米粉100%パン / 製パン技術 / レオロジー / 発泡メカニズム / プラスチック発泡成形 / グルテンフリー |
Research Abstract |
本研究の目的は、小麦粉に含むグルテン成分などを添加しない100%の米粉によるパン作成技術の確立とその発泡メカニズムの解明である。具体的には(1)米粉の粉砕条件(粉砕速度、粉砕温度、粉砕方法)の違いと粘弾性(生地の粘り気)との関連、(2)米の結晶構造と粘弾性的性質との関連、(3)コンピユータシミュレーションによる発泡メカニズムの解析、さらに、(4)実際の製パンを行い、粘弾性とパンの発泡との関連を明らかにする。具体的な成果を以下に示す。 (a)粉砕条件の違いと粘弾性との関連 一般に良質な米粉を得る際には、粉砕時に熱がかからないように配慮する。粉砕時に熱がかかった状態で粉砕された米は常温で糊化可能であることを突き止めた。常温でも糊化することで知られるアルファ粉にはない特徴もあることを明らかにした。具体的には粉砕時に澱粉分子の結晶構造が崩れ、半結晶状態であることが示唆された。これにより、常温での粘性が増し、一般の米粉にはないレオロジー特性を示す。さらに、これを米生地にブレンドすることで、生地粘度をコントロールすることで、製パンに最適な粘度を探ることが可能であることを突き止めた。 (b)米の結晶構造と粘弾性的性質との関連 粉砕時の熱履歴の有無により結晶構造にどのような変化があるかを広角X線測定により解析した。その結果、結晶構造は両者で明らかに異なることがわかった。結晶構造の違いにより熱履歴のある米粉は常温で糊化可能であることがわかってきた。 (c)製パン性に与える生地のレオロジー特性の影響 一般の米粉に上記の半結晶性米粉をブレンドすることで、生地のレオロジー特性をコントロールした。発泡に最適な粘度範囲を突き止め、米粉100%による製パン法を得た。しかし、発泡倍率は現在のところ2倍程度であり、これをさらに向上させる必要がある。さらに、発泡過程における直接観察を行うことで、製パンメカニズムを突きとめたい。また製パン性とレオロジー特性との関係をさらに、突き止める必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Nishioka, M.Nishio, M.Sugimoto, T.Takahashi, T.Koda, S.Ikeda, K.Koyama: "Strong Strain Hardening of Ethylene Ionomers / Stylene-co-Methacrylic Acid Blends"Nihon-Reoroji Gakkaishi. 32・1. 43-47 (2004)
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[Publications] A.Nishioka, M.Nishio, T.Takahashi, T.Koda, S.Ikeda, K.Koyama: "Uniaxial, Biaxial and Planar Elongational Viscosities for Ionomers Based on Poly(Ethylene-co-Methacrylic Acid)"Nihon-Reoroji Gakkaishi. (印刷中). (2004)
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[Publications] T.Koda, T.Shimizu, S.Imai, T.Takahashi, A.Nishioka, S.Ikeda: "Nematic Liquid Crystal Dispersed in Ferroelectric Copolymer of Vinylidene Fluoride and Trifluoroethylene"JJAP. 42. 4426-4430 (2003)
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[Publications] 藤井恵子, 足立美智子: "絹フィブロインの食材料化に関する研究ム栄養・食事計画への応用可能性について-"日本女子大学紀要 家政学部第51号. 51. 85-91 (2004)