2003 Fiscal Year Annual Research Report
2次元運動機能を持つ物性測定器による、咀嚼運動とテクスチャー感知との関連性の解明
Project/Area Number |
15300255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
柳澤 幸江 和洋女子大学, 家政学部, 助教授 (60191160)
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Keywords | テクスチャー / 咀嚼 / 2次元運動 / 破断力 / 硬さ / 義歯 / 寒天ゲル / ゼラチンゲル |
Research Abstract |
研究目的 咀嚼運動によって感知されるテクスチャーという視点で咀嚼運動に近づけた「咀嚼ロボットによる物性評価研究」により2次元運動機能を持つ物性測定器の開発が完成した。本研究は開発した測定器をテクスチャー測定機器としての実用化につなげることを目的とした。 研究成果 一般食品より均質で安定性のある試料を検討し、破断力や破断ひずみを任意に設定できるものとして、寒天ゲル(以下A)、カラギーナンゲル(以下K)、ゼラチンゲル(以下Z)を用いた9種類の試料の設定を行った。テクスチャーアナライザーを用いて、直径10mmの円柱プランジャー、圧縮速度10mm/sec、90%圧縮で測定し、低強度(1.5kg)のゲルとしてA2.5%濃度、K8.5%濃度、Z7.5%濃度を採用した。中程度(3.0kg)の強度はA4.5%、K12.5%、Z11%、高強度(4.5kg)はA6.5%、K17.5%、Z16%を採用することができた。ゲルの調整は20mm×20mm×10mmサイズに型入れし、10℃で18時間冷却した。試料の破断ひずみはゼラチンが最も大きく、ついでカラギーナン、寒天となり、破断力・破断ひずみがそれぞれ異なる試料を得た。 これらの試料を2次元運動測定器を用いて破断力の変化を検討した。従来の1次元圧縮とは異なり、側方運動を負荷するため、プランジャーは底面1mm幅、30mm長さの刃型とした。各試料破断点に達するまでの側方運動距離を今回0,3,6,9mmに設定し、側方運動距離すなわちすり切る距離によって破断力がどのように変化するかを検討した。測定速度は10mm/secとした。測定の結果いずれの試料も、側方運動距離が大きくなるほど破断力が小さくなることが示され、9mmでは側方運動を負荷しない0mmでの測定結果の60-70%程度の破断力に低下した。低下の程度は試料の硬さよりひずみの影響を受け、破断力がもっとも低下したのは、ひずみが大きいゼラチンであった。義歯装着での咀嚼の大きな特徴は、側方運動量の低下にある。そのような場合、ひずみの大きな食品で噛みきりにくさが生じやすいことが示唆された。 次年度はより咀嚼運動に近づけた状態での測定を行い、咀嚼によって感知されるテクスチャーの客観測定方法の実現に近づけたい。
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