2005 Fiscal Year Annual Research Report
2次元運動機能を持つ物性測定器による、咀嚼運動とテクスチャー感知との関連性の解明
Project/Area Number |
15300255
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
柳澤 幸江 和洋女子大学, 家政学部, 助教授 (60191160)
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Keywords | テクスチャー / 咀嚼 / 2次元圧縮 / 破断力 / 硬さ / 義歯 / 寒天ゲル / ゼラチンゲル |
Research Abstract |
研究目的 咀嚼運動によって感知されるテクスチャーをより客観的に測定するという目的で、咀嚼運動に近づけた「咀嚼ロボットによる物性評価研究」により2次元運動機能を持つ物性測定器の開発が完成した。本研究は開発した測定器をテクスチャー測定機器としての実用化につなげることを目的とした。 研究成果 ガムを用いた測定で、通常の1次元圧縮測定では充分に評価しきれない付着性を、2次元圧縮測定をすることにより、官能評価に近い物性値が得られることが示された。これを応用して、1次元圧縮測定で、圧縮後の引き上げ時に保持時間を設定したところ、保持時間0秒の場合に比べて付着性の値が著しく増加することが認められた。この付着性の増加は保持時間の延長には影響されなかった。これらのことから、口腔内で認知されるテクスチャーの機器的測定に咀嚼運動の視点を組み入れることの必要性が再認識された。 次に一般食品より均質で安定性のある試料として寒天ゲル、カラギーナンゲル、ゼラチンゲルを用いた3段階の硬さの合計9種類の試料を用いての測定を行った。2次元圧縮測定器による測定方法は、側方運動距離を、0.3.6.9mmの4段階に変化させた。また圧縮速度は10・40・80mm/secと3段階に変化させ破断力を測定した。その結果、側方運動距離の増加により、破断力は3種類のゲル化剤でともに低下した。側方運動距離における破断力の低下は、ひずみの最も大きいゼラチンで顕著で、次いでカラギーナン,寒天の順であった。これより、物性の破断に要する力は圧縮経路によって変化することが示され、口腔内での咀嚼運動の変化によってテクスチャー認知が変化することが示唆された。本機器を用いることで義歯装着に伴うテクスチャー認知の変化を、客観的に評価することが期待できる。今後は、日常食品を使用しての研究展開をしていく予定である。
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Research Products
(3 results)