2005 Fiscal Year Annual Research Report
天然物に由来する抗酸化性成分および界面活性成分の食品加工・調理特性に与える影響
Project/Area Number |
15300256
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
瀬口 正晴 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (40149612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的場 輝佳 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10027196)
松村 康生 京都大学, 農学研究科, 教授 (50181756)
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Keywords | ラジカル捕捉活性 / 界面活性能 / 抗酸化能 / 製パン適性 / 食品物性 / 小麦粉 / 乳化系ゲル / 食品加工調理 |
Research Abstract |
1)ポリフェノールの抽出およびラジカル消去能の測定(的場);本年度は各種スパイスのポリフェノール成分およびラジカル消去能について検討を行った。スパイスとして、クローブ、オールスパイス、シナモンなど16種類を用い、ラジカル消去能のスクリーニングを行った。その中で、最も高いラジカル捕捉活性を示したのはクローブで、オールスパイスとシナモンも非常に高い活性を示した。スパイスに含まれるポリフェノール成分について解析し、フラボノイドとして、ルテオリン、ケルセチン、ケンフェロールなどを、フェノール酸として、没食子酸、フェルラ酸、カフェ酸などを、フェノール性揮発成分として、オイゲノール、アセチルオイゲノール、ピペリンなどを同定した。2)製パン性に与える小麦粉界面活性成分の影響(瀬口);エージングや加熱処理によって得られる小麦粉のパンケーキやカステラのテクステュアの改良効果について小麦粉中界面活性成分の観点から検討した。その結果各処理により小麦粉に強い疎水化が得られ、パンケーキでは強い弾力性が得られ、カステラでは大きな膨化現象が認められた。いずれもエージングや加熱処理でえられた小麦粉界面活性能(特にそのうち疎水性)を示す小麦粉成分の泡表面への吸着が原因でこのような改良効果が示されたものと推察された。つぎに国内産小麦粉(内麦)の製パン性劣化原因追求を小麦粉中界面活性成分の観点から行った。検討中である。さらにネギ属植物に含まれるジスルフィド類の製パン改良研究の原因追求を行った。その結果ジスルフィド類添加により小麦粉中のタンパク質の分子量が高分子化することが確認され、製パン性改良の原因が解明された。これまで本科研費でえられた界面活性成分の成果をベースに、生活習慣病をふせぐためのパンとして糖尿病患者用パンの開発をすすめた。その方法として低カロリー物質であるセルロースを10-20%小麦粉にブレンドした。しかし製パン性は劣化し、その原因はセルロース粒子サイズが問題と突き止めた。3)松村は、乳化系および低水分系(粉末状態やペースト状態)におけるペプチド、アミノ酸の抗酸化性について検討した。その結果、ヒスチジンやそれを含むペプチドに抗酸化性のあること、逆にシステインに酸化促進効果があることを見出した。また、油脂の結晶化が乳化系の物理的安定性に与える影響についても検討を加えた。さらに、瀬口との共同研究により、ドウの酵素処理による製パン性向上を試みた。
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Research Products
(5 results)