2004 Fiscal Year Annual Research Report
国立大学の研究評価における定量的評価指標に関する研究
Project/Area Number |
15300259
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小林 俊哉 北陸先端科学技術大学院大学, 科学技術開発戦略センター, 助教授 (90345140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 敏幸 法政大学, 経済学部, 助教授 (00359663)
緒方 三郎 財団法人未来工学研究所, 主任研究員
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Keywords | 研究者集積度 / COE研究拠点間比較 / デルファイ式技術予測 / 科学技術基本計画 / システム思考的アプローチ / 研究プロセス評価 |
Research Abstract |
平成16年度は、平成15年度の成果を受けて、引き続き定量的評価指標の拡大可能性について検討を推進した。主な成果は二点である。一点目は、大学における「研究者集積度」を定量的評価指標とする新しいアイディアの検討である。これは平成14年度にスタートした21世紀COEプログラムが、その中間評価項目に拠点形成の実績を挙げていることから、その事業意図に基づき考案したものである。当面、定量的指標は研究者数、研究者の専従換算(Full Time Equivalent : FTE)に留意して計量することを提案する。16年度は研究者集積度を定量的指標として用いる場合の問題点の検討を共同研究者と行い論文化した。17年度はこのアイディアの実証のプロセスに踏み込む所存である。また上記の調査研究と並行して、文部科学省によるデルファイ式技術予測調査結果のデータを活用し、政府による大学等の基礎研究振興施策の実効性について評価を行う手法を考案した。科学技術基本計画に定める重点4分野について実際に技術予測データを用いて検討を行い、その成果を論文化した。二点目は、研究代表者(小林)が参画している21世紀COEプログラムとも連携して推進しつつある、システム思考的アプローチによる研究プロセス評価の可能性に関する実証的調査である。より質の高い研究成果を出すために研究者がどのような研究活動(プロセス)に力を入れて取り組めばよいかという問題意識に基づき、研究組織の成果物(アウトプット)がどのような研究活動(プロセス)によって生み出されているのかを明らかにする。この関係を明らかにする事で、研究組織における成果につながるプロセス項目を提案する事が出来る。本研究においては、国公私立大学(21世紀COEプログラム拠点に限定)並びに独立行政法人等公的研究部門の各研究室にプロセスと成果についてのアンケート調奪を行い、その関係を明かにした。その結果、公的研究部門においてはプロセスと研究成果への研究代表者の満足度について顕著な相関を示した要素の抽出を行った。一方大学においては公的研究部門のような顕著な相関を認めることができなかった。この結果について17年度に継続的な調査を遂行する予定である。なお15年度に実施したロシア科学アカデミー付属研究機関で実施した面接調査結果を論文化して16年度に公表している。
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Research Products
(5 results)