2005 Fiscal Year Annual Research Report
国立大学の研究評価における定量的評価指標に関する研究
Project/Area Number |
15300259
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小林 俊哉 北陸先端科学技術大学院大学, 科学技術開発戦略センター, 助教授 (90345140)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 三郎 北陸先端科学技術大学院大学, 科学技術開発戦略センター, 客員助教授 (60401949)
立瀬 剛志 北陸先端科学技術大学院大学, 科学技術開発戦略センター, 拠点形成研究員 (30397228)
|
Keywords | 研究者集積度 / 21世紀COE拠点間比較 / 広報分析 / 大学ブランディング / システム思考的アプローチ / 研究プロセス評価 / デルファイ式技術予測 / 科学技術基本計画 |
Research Abstract |
平成17年度は、当該課題研究開始3年目として大きな進捗を得た。主な成果は3点ある。 一点目として、平成16年度に概念形成を行い論文化した、大学における「研究者集積度」を定量的評価指標とする新しいアイディアの具現化である。21世紀COE事業の中間評価においては、研究拠点形成進捗状況が拠点評価の一つの主眼となっており、人材、施設・機器、資金(すなわちヒト・モノ・カネである)等の要素が重視された。特に人材の要素は研究者(研究支援者を含む)集積度と密接な関係があるので、当該指標は人材面での拠点形成の指標として実効性を持つものと考えられた。このことにより研究者集積度という定量的な指標により競合研究機関と比較考量が可能になるということが16年度に検討された。その結果を踏まえて17年度においては、21世紀COEプログラムがスタートする直前の平成13年度と平成16年度で、平成14年度にCOE拠点として採択された各拠点大学における研究者数の比較を実施した。現在、その成果の論文化を進めている。二点目として、17年度の調査項目で予定していた文部科学省によるデルファイ式技術予測調査結果のデータを活用した、政府による大学等の基礎研究振興施策の実効性評価を、最新のデルファイ調査結果のデータを使用して実施した。これも、その成果の論文化を進めている。三点目は、17年度に新規の定量的指標拡張の可能性を検討したことである。具体的には、従来ブランド資産価値の定性・定量評価で活用されてきた「広報分析」を応用した手法の開発である。その内容は国立大学における研究成果が社会的にどのような評価を受けているかをマスメディア等に掲載された記事件数と内容を基に定性分析と定量分析を行うことである。17年度は日経ニューズテレコン等の大型汎用データベースを用いて、所定期間(1991年〜2005年)における旧7帝大に関する記事件数と記事内容を基に定量分析と定性分析を実施した。その成果は速報として論文化され公表することができた。この他に研究代表者(小林)が参画している21世紀COEプログラムとも連携して推進しつつある、システム思考的アプローチによる研究プロセス評価について大学の研究現場に関してアンケート調査を遂行した成果についても17年度に論文化することができた。なお、平成15年に実施したロシア科学アカデミー付属研究機関で実施した面接調査結果を17年度に研究代表者の著書として公刊することができた。
|
Research Products
(5 results)