2003 Fiscal Year Annual Research Report
生体情報による映像教材視聴時の他覚的な情意領域評価方法の開発研究
Project/Area Number |
15300273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
梅澤 章男 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (70151925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 栄一郎 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20000086)
村野井 均 福井大学, 助教授 (10182130)
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Keywords | 情意領域 / 生体情報 / 教育評価 / 感情 / メディア / 呼吸 / 心臓血管系 / 時系列変化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,生体情報を用いて感情の他覚的評価を実現することにある。そのためには感情を自然に喚起するための方法を整備する必要がある。そこで,平成15年度は以下に示すような感情を喚起するための標準的な映像バッテリーの開発とそれを用いた基礎データの収集を行なった。 (1)基本感情を自然に喚起するために,映画や映像ソフトから収集したシーン(以下映像クリップと記す)を用いて,基本感情を引き起こすシーンを編集した映像クリップを作成した。各クリップの長さは約5分程度に編集した。映像ソフトを選択する際に,日本語,英語両方の版が入手可能なものを優先させ,他の研究者が同じ映像バッテリーを作成することが出来るように,編集手続きの詳細を記述したマニュアルを作成した。 (2)映像クリップがどのような感情を引き起こすかについての基礎資料を得るために,被験者40名に対して,個別にクリップを呈示し,視聴時の主観的感情の自己評価を求めた。その結果,快感情のみを引き起こすクリップと不快感情のみを引き起こすクリップを同定することができた。ただ,感情の質には個人差が認められ,例えば同じクリップを視聴しても,怒りを体験する人と恐怖を体験する人がいることが明らかにされた。 (3)次に(1)で開発した成人用映像バッテリー視聴時の生体情報を測定する実験を行なった。測定した生体情報は脳波,筋電図,呼吸,血圧,心拍,汗腺活動であった。映像クリップ視聴時の生体情報変化パターンから基本感情の質を推定する方法を検討した。パターン認識の方法として,線形判別関数を用いたノン・パラメトリックな学習方法を適用した結果,感情がポジティブかネガティブかの判別は可能との所見を得た。この研究成果については,本年度の日本生理心理学会と日本教育工学会で発表予定である。また研究代表者が招待講演を依頼されている国際会議でも本研究成果を報告予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 梅澤章男, 清水亮子: "呼吸・心臓血管系反応による快-不快情動の判別"日本心理学会第67回大会発表論文集. 430 (2003)
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[Publications] 梅澤章男, 清水亮子, 寺井堅祐: "情動に伴う呼吸・心臓系変容"第22回日本生理心理学会発表抄録集. (印刷中). (2004)
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[Publications] Umezawa, Akio: "Respiratory self-control method based on psychophysiological studies"11th Annual Meeting of the International Society for the advancement of respiratory Psychophysiology. Oct. (2004)