2003 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者のための板書を伴う授業環境提供に関する研究開発
Project/Area Number |
15300288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
大武 信之 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター(視覚障害系), 助教授 (10223851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金堀 利洋 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター(視覚障害系), 助手 (00352568)
藤芳 衛 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (20190085)
鈴木 昌和 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20112302)
田中 宏 (株)富士通研究所, ITメディア研究所, 研究員
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Keywords | 視覚障害者 / 授業環境 / 文字認識 / 板書 |
Research Abstract |
視覚障害者を対象に授業を行うには、使用される教科書に対して、全盲には教科書を点訳した点字図書を、弱視には視力に合った拡大図書を事前に用意しなければならない。一般的な講義では板書を伴うが、事前に板書内容を点訳するのは難しいため、次の4項目の構築を目指す。1.通常の授業において視覚障害者が、板書内容をリアルタイムで読める環境を提供する。2.講義内容は理工系科目を対象とし、理系の教育が出来る環境であること。3.オンライン手書き文字認識・数式認識を用いて、板書内容をコード化し、点字および拡大文字にリアルタイムで変換し、視覚障害者が内容を理解できるシステムとする。4.板書内容の表示には、通信手段としてインターネットを用いる。これにより、健常者(晴眼者)のための遠隔講義システムにも利用可能な環境が構築可能である。手書きの板書内容を解析・認識し、弱視には視力に合った活字サイズで、全盲には点訳内容を点字表示装置(ピンディスプレー)で表示する視覚障害者用リアルタィム授業環境を提供することで、受講者と講義担当者の双方が抱えていた問題を解消する授業環境を提供する。筑波技短では、ユーザーインターフェースを含めたシステム全体の基本設計を開始した。特にシステム実現のためのプロトタイプ用講義室を想定した50inch以上の入力用装置(黒板を想定)、出力用装置としてパソコンおよびプロジェクタを設置し、基礎実験を開始した。九大では、数学・理科を中心に教科書や典型的な参考書、試験問題などのレイアウト解析ための文書モデル記述法の設計、および各レイアウト要素(図、表、文章、数式の領域識別、文書論理構造認識)などの判別基準に関する実験研究を行った。また富士通と協力し、枠無し手書き日本語の文字認識を、板書文字への応用を開始した。また大学入試センターでは現在、英語圏で検討されている新点字コード(UEBC)における数式・化学式の調査を行い、今後UEBCが現行日本点字規則に与える影響を検討した。この検討結果に従い、2004年3月にトロントで開催されたUEBC国際会議へ、藤芳・大武が参加しUEBCに対する目本側の要望を表明した。本国際会議の結論は、UEBCを、英語圏の標準点字コードとすることが決議されている。ただし、現時点ではUEBCを日本へ導入する結論が、目本点字委員会から出されていないため、点訳形式を現行日本点字規則とUEBCの2つの形式で行う設計で、それぞれの変換形式に対する問題点を調査し、次年度以降のシステム開発に盛り込む予定である。 研究初年度であるため、海外共同研究者であるJohannes Kepler大学のKlaus Miesenberger教授を本年度末に招聘し、今年度の成果を共に検証し、帰国後の利用と今後の共同研究についての検討を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 金堀利洋, 大武信之: "行列要素間ネットワークを用いた行列の構造解析"情報科学技術フォーラム、情報レターズ、FIT2003. Vol.2. 199-200 (2003)
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[Publications] 大武信之, 金堀利洋: "XML数式意味記述のための半自動変換"情報科学技術フォーラム、情報レターズ、FIT2003. Vol.2. 265-267 (2003)
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[Publications] 大武信之, 金堀利洋: "A Conversion Tool for Mathematical Expressions in Web XML files"Journal of Visual Impairment and Blindness. Vol97,Num11. 713-719 (2003)
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[Publications] 藤芳 衛, 大武信之, 他: "The Development of Unified Japanese Braille Code Based on the Unicode"International Council on English Braille, Toronto, Canada. 1. 1-43 (2004)