2005 Fiscal Year Annual Research Report
古代青銅器の熱処理と土中腐食を中心とした材料科学的研究
Project/Area Number |
15300294
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
横田 勝 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (10029225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 文則 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10275175)
三船 温尚 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (20181969)
野瀬 正照 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (70269570)
宮原 晋一 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第1課, 総括研究員 (90250373)
清水 康二 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第1課, 主任研究員 (90250381)
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Keywords | 文化財科学 / 文化財劣化 / 古代青銅器 / 熱処理 / 機械的性質 / 微生物 / 腐食 / 微生物 |
Research Abstract |
研究課題「古代青銅器の熱処理と土中腐食を中心とした材料科学的研究」について、過去3年間に渡り青銅合金と熱処理による機械的性質の変化、ならびに土中における腐食について調査と検討を行ってきたが、本年度はこれら2種目のうち後の土中腐食について微生物腐食の観点から調査・研究を行ってきた。現段階で得られた結果ならびに経過は次のとおりである。 (1)青銅鏡の腐食層内において少なくとも2種類の微生物が存在することをDNA検査、走査型電子顕微鏡による直接観察ならびにDapi染色による光学顕微鏡観察で確認した。 (2)2種類の微生物はDNA検査とその塩基配列解析からそれぞれ相同率97.4%のXanthomonadaceae科、相同率97.4%のBacteroidales目に帰属する菌株の可能性が高いことが明らかになった。 (3)これらの菌株について最終的には属、種にまで明らかにする予定であるが土中と言う特殊な環境に生息する微生物のためか培養実験に困難を来たしているのが現状である。これらの微生物は嫌気性の可能性が高いので、これが培養実験を困難にしている可能性も予想されるので、さらに培地の種類を多岐にわたって見出す必要がある。 (4)来年度の調査予定として、青銅鏡の腐食層内に生息する微生物を採取してクローニングを行い、確度の高い菌種の同定を行い、属、種にまで明らかにするとともに、これを用いた菌種の増殖とそれを用いた青銅合金の腐食実験を行う予定である。
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Research Products
(3 results)