2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300300
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 安隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70134442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 教授 (00183385)
今泉 俊文 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (50117694)
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Keywords | 活断層 / 伏在断層 / 反射法地震探査 / 変動地形 / 重力探査 |
Research Abstract |
伏在逆断層によって生じる地表変形と地下構造との関係を明らかにすることを目的として以下の調査を実施した. 1.伊那谷断層帯において前年度に実施した反射法地震探査のデータ処理し,反射強度断面図を作成した.また,今年度は同測線上およびその延長上で実施した重力測定データの処理を行い,地下の密度構造の推定を行った.これらの解析の結果,境界断層を境に伊那谷を充填する盆地堆積物が木曽山脈の下に約4kmにわたって低角にunderthrustしていることが分かった.更にこの第四紀盆地堆積物の下には,基盤岩を切る伏在逆断層が存在する事が推定された;この断層は,かつて(たぶん中新世)正断層として形成されたものが,現在の圧縮応力下で逆断層として再活動したものである可能性が高い.伊那盆地内に発達する前縁断層は,盆地堆積層基底に沿って伏在断層として発達していたものが,上記の基盤断層の活動によって生じた構造の不連続に規制されてrampを成して地表へ伝播したものと推定される. 2.長野盆地西縁断層帯を横切る反射法地震探査と重力探査を実施した.データの詳細な解析は未だ終了していないが,暫定的な結果は以下の通りである.長野盆地西縁断層帯の東側(盆地側)には,往復走時1秒以上まで,ほぼ水平に成層した厚い堆積層が認められる.一方,断層帯上盤側は,比較的浅い層準(裾花凝灰岩基底)で西傾斜のemergent thrustとなっている.これは同断層が,単純に先第三系の基盤まで達するthick-skinタイプの断層ではなく,より複雑な構造を持つ可能性がある事を示唆している.
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Research Products
(7 results)