2004 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化に伴なうサンゴ礁形成海域の北上に備えた沿岸域地形形成基盤の研究
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15300303
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
菅 浩伸 岡山大学, 教育学部, 助教授 (20294390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 洋典 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (90172303)
堀 信行 東京都立大学大学院, 理学研究科, 教授 (40087143)
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Keywords | 高緯度サンゴ礁 / 礁形成過程 / ボーリングコア / 琉球列島北部 / 完新世環境変遷 |
Research Abstract |
本年度は種子島北西に位置する馬毛島でサンゴ礁のボーリングを行い,北限域サンゴ礁の構造と形成過程を明らかにした。 北限域のサンゴ礁である種子島・屋久島地域の海岸には縁脚縁溝系を伴ったサンゴ礁地形が部分的にみられる。このうち最も北に位置する馬毛島では北西岸で唯一明瞭なサンゴ礁地形が認められる。礁縁部には縁脚・縁溝が発達し,礁池をもたない平坦な地形が広がる。礁縁海側の水深5m以深の緩斜面には基盤岩である第三紀層の熊毛層群砂岩・シルト岩が露出しており,ところどころに卓状ミドリイシを主とした大規模なサンゴ群集が発達しているが群集下部に礁堆積層は形成されていない。 岬港付近のサンゴ礁にて汀線に直行する側線を設け,礁縁部から礁原陸側端部付近にかけて4本のボーリングを行った。ボーリングには昨年度導入した(株)ジオアクト製水陸両用油圧式掘削機を用いた。完新統の層厚は最大で3.93mであり,基盤は第三紀熊毛層群の砂岩・シルト岩である。 完新世サンゴ礁堆積物は明瞭な帯状構造を呈し,最海方の礁縁部で皮殻状サンゴ相・その内側で卓状・板状ミドリイシ相,その背後にサンゴ礫・礁性砂相となる。最も陸側の基盤直上には黒灰色砂泥の堆積がみられる。 採取したコアより原地性サンゴを主に10試料の放射性炭素年代測定を行った。最も古い年代値は最陸方の黒灰色砂泥上の原地性サンゴで約6,500cal yBPであり,礁縁部付近でみられる卓状・板状ミドリイシ相よりなる礁構造は約6,100cal yBPから300年程度の短期間で形成されている。ここでは完新世最暖期に湾奥部で礁の形成が始まっている。この時期には鹿児島湾まで黒潮暖水舌が恒常的に流入していたことが推定されている。馬毛島ではその後,約1,000年の間に礁原の大部分が形成されており,温暖期のパルス的な礁形成によって,礁の概形が形成されたことが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Coral Skeletal Tin and Copper Concentration at Pohnpei, Micronesia : Possible Index for Marine Pollution by Toxic Anti-biofouling Paints.2004
Author(s)
Inoue, M., Suzuki, A., Nohara, M., Kan, _H., _Kawahata, H.
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Journal Title
Environmental Pollution Vol.129
Pages: 399-407
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