2004 Fiscal Year Annual Research Report
暦年代に基づく琉球列島の完新世海面変動と地殻変動及びサンゴ礁の発達史
Project/Area Number |
15300304
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
河名 俊男 琉球大学, 教育学部, 教授 (60044955)
|
Keywords | 琉球列島 / 完新世海面変動 / 完新世地殻変動 / 完新世サンゴ礁 / 古津波 / 奄美大島 / 沖縄島 / 石垣島 |
Research Abstract |
琉球列島の奄美大島、沖縄島、津堅島(沖縄島の周辺島)、座間味島、久米島、石垣島、及び西表島における完新世海面変動、地殻変動、サンゴ礁の発達史について調査した。その研究成果は以下の通りである。 1.奄美大島 笠利半島東部を調査し、礫岩ビーチロックから2件のC-14暦年代値を得た。当地域の地史は、(1)約6300年前と5300年前の海退、(2)約4600〜4900年前の高位海面安定期とサンゴ礁の形成、(3)約3300〜3600年前の大津波が推測される。 2.沖縄島 マイクロアトール化石とサンゴ礁岩塊のC-14暦年代値を得た。前者から約4800年前の高位海面安定期が推測され、後者から、約2000年前の大波によるサンゴ礁岩塊の打ち上げが示唆される。 3.津堅島 東海岸のサンゴ礁岩塊から1件のC-14暦年代値を得た。この結果、沖縄島の南部海岸一帯を襲った1832年の大型台風(歴史書「球陽」に記載)の高波によって打ち上げられた可能性が示唆される。 4.座間味島 完新世サンゴ礁(1個)とそれを覆う礫岩ビーチロック(3個)のC-14暦年代値を得た。その結果、約4700年前の高位海面安定期、およびその後の海退に伴う礫岩ビーチロックの形成が推測される。 5.久米島 北西海岸一帯に分布する高位の離水サンゴ礁、その前縁に発達する縁脚・縁溝系のサンゴ礁地形、および低位の高潮位面の地形を確認した。 6.石垣島 マイクロアトール化石(3個)、津波石のサンゴ化石(7個)、および離水ビーチロック(1個)のC-14暦年代値を得た。その結果、(1)約7500年前のビーチロック形成、(2)約6800〜7200年前の高位海面安定期、(3)約4400年前、3200年前、2700年前以降、および2000年前の大津波が推測される。 7.西表島 マイクロアトール化石(2個)、離水ビーチロック(1個)、および離水礫岩ビーチロック(1個)のC-14暦年代値を得た。この結果、約5000年前の海退、約3700〜4800年前の高位海面安定期と、それに伴うサンゴ礁および離水ビーチロックの形成が推測される。
|
Research Products
(3 results)