Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 侃 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (10283318)
鞠子 茂 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (10251018)
大塚 俊之 茨城大学, 理学部, 助教授 (90272351)
別宮 有紀子 都留文科大学, 初等教育学科, 助教授 (20326094)
横沢 正幸 独立行政法人農業環境技術研究所, 地球環境部, 主任研究官 (80354124)
|
Research Abstract |
平成16年度は冷温帯のススキ草原に焦点を当て,土壌からの炭素放出量を明らかにした.調査は,筑波大学菅平高原実験センター(長野県小県郡真田町)構内に保全されている面積6haのススキ草原(36゜31'N,138゜21'E,標高約1300m)において行った.測定期間における年平均気温および年間降水量はそれぞれ6.5℃,1288mmであった.気候は,昼夜の温度差が大きい内陸型である.雪は11月下旬頃から降り始め,12月から3月にかけては地表面が雪で覆われている.ススキの生育期間は,4月下旬から10月中旬であり,毎年の生育期間終了後には地上部を刈り取り,家畜飼料として系外に持ち出している. (1)測定方法:土壌呼吸量の測定は,携帯型土壌呼吸測定装置(LI-6400,LI-COR)を用いてダイナミック密閉チャンバー法(DC法)により,2003年5月から11月,および2004年4月から11月にわたり約一ヶ月毎に行った.土壌呼吸量の測定と同時に,環境要因として,土壌温度(地表面,-5cm)および土壌水分含量の測定も行った. (2)土壌呼吸量:2004年の測定期間における,土壌呼吸速度と土壌温度(地表面,-5cm)および土壌水分の季節変化を計測した.土壌呼吸速度の値は春期から夏期に向かって増加し(463.9〜779.4mgCO_2m^<-2>hr^<-1>),夏期に最大(1772.4mgCO_2m^<-2>hr^<-1>)となり,その後は減少した(271.1〜1472.9mgCO_2m^<-2>hr^<-1>).地表面および地中5cmの土壌温度は,4月から6月にかけてやや温度差がみられたものの,その後はほぼ同じような変化を示した.そして,これらの土壌温度と土壌呼吸速度の季節変化はよく一致していた.また,2003年においても同様の結果が得られた.
|