2003 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴ礁における炭酸系ダイナミクスと地球環境変動の関係
Project/Area Number |
15310013
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
大森 保 琉球大学, 理学部, 教授 (00045022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棚原 朗 琉球大学, 機器分析センター, 助教授 (00217100)
又吉 直子 琉球大学, 理学部, 助手 (50295292)
新垣 雄光 琉球大学, 理学部, 助手 (80343375)
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Keywords | サンゴ礁 / 二酸化炭素 / 温暖化 / 炭酸系 / 時系列観測 / 白化 / ラジカル / 生物生産 |
Research Abstract |
1.観測:瀬底島サンゴ礁において、炭酸系成分の時系列連続観測をおこない、炭酸系ダイナミクスに関する研究をおこなった。現場では、pH、DO、アルカリ度、水温を15分後とに記録し、3週間ごとにデータを取得と装置のメンテナンスを継続した。メンテナンスの前と後に海水を採水し、炭酸系成分(アルカリ度、全炭酸、pH、塩分、CO2フラックス)の精密分析をおこない装置を校正した。海水の流動状況を把握するために流向流速を15分ごとに計測した。炭酸系時系列観測は年間を通しておこない、約4年間のデータを得た。 2.解析:1)瀬底島サンゴ礁の観測データに基づき、BOXモデルを構築して、群集レベルの光合成量の時間変動と月生産量・年間生産量を得た。またアルカリ度の時系列観測が困難であるので、pH-DO-初期アルカリ度のデータをもとに、炭酸系化学平衡に基づいて計算で求め、石灰化量の時系列変動の概略を得た。地下水の混入効果を補正すると誤差は+/-1.5%となった。2)サンゴ礁海水中の二酸化炭素分圧の時系列変動について周期解析をおこなった。PCO2の時系列変動は、26時間、13時間、6.5時間、3.5時間の周期をもって複雑に変動することがわかった。昼夜の生物活動の日周期のほかに、潮流、潮汐、慣性流の効果などが重複していることがわかった。これにより地球環境変動とサンゴの生理的な活動が海水中の二酸化炭素濃度を規定することが示された。 3.サンゴ飼育実験および炭酸系測定システムの研究:サンゴの飼育実験をおこない、水温と光・ラジカルの生物効果を得た。光合成能と石灰化能は、水温30℃を最適とし、それ以上の条件で急速に減衰し、サンゴの白化は、高水温と光によって生体メカニズムが破壊されることが原因と考えられた。また、固体電極の開発をおこない、海水に適用可能な高感度のCO2電極の応答を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Oomori T., et al.: "How the carbonate system in coral reef respond to global environmental change?"Geochim.Cosmochim.Acta (Goldschmidt Conference). Spec.Vol.. (2003)
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[Publications] Wang X.C, (T.Oomori) et al.: "Detection of ogranotin compounds in surface seawater and sediments along the coast of Okinawa Island, Japan."Bull.Coll.of Sci., Univ, Ryukyus. 77. 123-135 (2004)
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[Publications] Arakaki T., (T.Oomori) et al.: "Simulytaneous measurement of hydrogen peroxide and Fe species (Fe(II) and Fe(tot) in Okinawa Island sea water : Inpact of red soil pollution."Jour.Oceanogr (Special Session Voklume). vol 4(In press). (2004)
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[Publications] Wang X.C, (T.Oomori) et al.: "Ogranotin compounds in the coastal marine environment around Okinawa Island, Japan"Jour.Oceanogr (Special Session Voklume). Vol.4(In press). (2004)
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[Publications] 渡慶次亮子, (大森保)外: "開放的なサンゴ礁域における有機無機炭素生産量の見積もり"日本地球化学会(第50回)年会要旨集. 50. 1P46 (2003)
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[Publications] 渡慶次亮子, (大森保)外: "サンゴ礁における二酸化炭素変動の解析"日本サンゴ礁学会(第6回)大会要旨集. 6. B7 (2003)