2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子レベルAMS^<14>C測定による大気エアロゾル中PAHsの起源推定と環境動態解析
Project/Area Number |
15310015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
熊田 英峰 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (60318194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 昌男 海洋科学技術センター, むつ研究所, 研究員 (50344289)
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Keywords | atmospheric PHA_s / source apportionment / combustion sources / compound specific isotopic analysis / radio carbon / accelerator mass spectrometry / urban air / remote air |
Research Abstract |
平成15年度は,エアロゾル試料の採取〜大気中PAHsの濃度を調べることを重点的に行なった。また,遠隔地域のデータを補完する目的から、山岳湖沼の表層堆積物についてもPAHsのAMS^<14>C分析を開始した。詳細は以下の通り。 【エアロゾル試料採取】都市近郊として東京農工大学FM多摩丘陵および遠隔地域として岐阜大学流域圏科学研究センター高山試験地でエアロゾル試料を採取した。2004年2月現在までに,東京近郊で分級試料9,PM10試料29を,山岳地域でPM10試料8をそれぞれ採取した。このうち東京近郊試料はおよそ半数,山岳地域試料は全て,ASEによる溶媒抽出を完了した。 【エアロゾル試料分析】2002年末から多摩丘陵で予備的に採取した試料を用いて、AMS^<14>C分析に必要な試料量を確認した。単一化合物での^<14>C分析を実現するために,東京近郊でおよそ12万立米の大気量が必要であると見積もられた。 またPCGCによる化合物分取に必要な試料前処理方法を検討を行った。現時点で確定しているPCGCの前処理方法は:(1)ASE/toluene抽出,(2)0.5N KOH/MeOHによるアルカリ鹸化,(3)液液抽出による酸性化合物除去,(4)SiO_2、カラム分画,(5)GPCカラム分画,である。 昨年9月以降,PCGCシステムおよびグラファイト化のための真空ラインの双方にトラブルがあった。 このため,エアロゾル試料についてPCGC以降の試料精製を今年度は行うことができなかった。 【山岳湖沼堆積物】海外研究協力者Gustafssonと共同し,山岳湖沼表層堆積物中のPAHsを抽出,精製した。これは,遠隔地域における試料量が十分でない可能性を考慮したための措置である。山岳湖沼堆積物中のPAHsの大部分は大気降下物に由来するので,堆積物中PAHsの^<14>C分析結果を「大気中PAHsの積算」として評価に用いる予定である。
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