2005 Fiscal Year Annual Research Report
四日市公害の現代的評価と東北アジア(日中韓ロ)の国際環境協力
Project/Area Number |
15310026
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Research Institution | Tsu City College |
Principal Investigator |
上野 達彦 三重短期大学, 学長 (40115689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 恵淑 三重大学, 人文学部, 教授 (10273343)
福田 和展 三重大学, 人文学部, 助教授 (10324500)
鹿嶋 洋 三重大学, 人文学部, 助教授 (50283510)
寺川 史朗 三重大学, 人文学部, 助教授 (50345964)
西村 智朗 三重大学, 人文学部, 助教授 (70283512)
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Keywords | 四日市公害 / 東アジア / 環境協力 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続き、研究分担者が個別の専門分野の研究を進めることに加えて、極東アジアとの環境協力の方向性を見極め、実践するために、韓国、ロシアからの専門家を招き、国際シンポジウムを開催した(本年で5回目となる)。 2005年7月23日、三重大学講堂小ホールで開催された、「「四日市学」-四日市公害問題の再評価と国際環境協力;人間学・未来学・環境教育学・アジア学-」と題する同シンポジウムでは、約300名の聴衆を集め、日本、韓国や極東ロシアの環境問題の現状と課題について議論し、また、四日市公害問題の教訓をアジアの環境問題へどのように活かすかについての国際環境協力のあり方を探った。さらにそこでは、四日市公害の克服に対する研究者(生命倫理・医学・工学など)や市民、県行政および企業の対応に対する再評価の必要性が強調されると共に、あらたな環境教育の理念や教授法について大きな関心が寄せられた。 また、2005年8月15日〜24日にかけて、研究分担者(上野・朴・西村)と水質分析の専門家である研究協力者(宮岡邦任)とともに、極東ロシア(ハバロフスク)の環境問題(大気汚染・アムール川の水質汚濁・シベリアタイガ)の現状と調査をおこなった。ハバロフスクの研究者や行政官との面談や討論を通じて、日本との科学技術および資金などについて強い連携への期待感が寄せられた。昨年度の調査同様、日本の協力なくして解決が困難な問題であると共に、放置しておけば、日本自身にも深刻な被害が及ぶ問題であるということについて共通認識が得られた。 さらに、2006年3月17日〜22日にかけて、研究分担者(朴・西村)と研究協力者(宮岡)とともに、マレーシアの環境問題(大気汚染、水質汚染)及びブルネイの水上集落における水質汚染及びごみ処分場の環境問題について基礎調査を行った。マレーシアは東南アジア湯数の工業国として急激な経済発展に伴う環境問題が健在していることやバイオマスとしての籾殻発電の可能性について、ブルネイは下水道やごみ処分場などのインフラ整備において日本の高い技術力の国際協力を必要としていることが明らかになった。 これらの調査結果を踏まえて、近隣諸国の環境問題研究者との情報交換を含む、より一層の協力体制が必要であることを確認した。
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Research Products
(10 results)