2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15310042
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
汐見 信行 大阪府立大学, 産学官連携機構, 教授 (90100198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 孝司 大阪府立大学, 産学官連携機構, 教授 (80182301)
松田 八束 大阪府立大学, 産学官連携機構, 助教授 (70090438)
谷口 良一 大阪府立大学, 産学官連携機構, 助教授 (60155215)
白石 一乗 大阪府立大学, 産学官連携機構, 助手 (40347513)
川西 優喜 大阪府立大学, 産学官連携機構, 助手 (70332963)
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Keywords | 自然放射線 / 適応応答 / ホルミシス / ゾウリムシ / ガンマ線 / 中性子線 |
Research Abstract |
本年度は放射線遮蔽装置内外に温度可変の培養器を設置し実験を行った。遮蔽装置は厚さ15cmの鉄板で出来た箱で、外側に10cm厚のパラフィン層を設けている。鉄箱内のγ線量は外部の1/40であり、中性子線量は外部の1/6であった。 この装置内外でゾウリムシ(Paramecium tetraurelia, mating type IV)を10日間培養したところ、Planelらが見いだした自然放射線遮蔽による増殖低下は追試できなかった。栄養、温度などの条件を変えても増殖に有意な差は見られなかった。しかし、ゾウリムシを自家生殖後寿命まで長期(3ヶ月)培養すると、自然放射線遮蔽による有意な増殖低下が見られた。さらに遮蔽装置内に自然放射線レベルのガンマ線源(0.018μGy/hr)を設置するとその増殖低下は見られなくなった。 滝沢らは、マウス白血病培養細胞L5178Yの増殖が自然放射線遮蔽により有意に低下することを見いだした。その結果は我々の装置を用いて追試できた。遮蔽装置内に自然放射線レベルのガンマ線源を設置するとその増殖低下が見られなくなった。しかし、L5178Yの放射線高感受性ミュータント細胞M10では自然放射線遮蔽による増殖低下は見られなかった。この結果はM10細胞が欠失しているXRCC4蛋白がその現象の役割を担っていることを示唆している。生物は極低レベルの放射線に被曝しながら生きており、その放射線が刺激となって正常な遺伝子発現系が維持されているのかもしれない。
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Research Products
(2 results)