2005 Fiscal Year Annual Research Report
排水からの微量有害元素(Se,Sb,As,B)アニオンの濃縮・除去の新基盤技術
Project/Area Number |
15310045
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梅津 良昭 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10005423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 忠久 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (60006054)
岡部 徹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00280884)
亀田 知人 東北大学, 大学院・環境科学研究所, 助手 (60333895)
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Keywords | 酸化マグネシウム / 土壌固化剤 / フッ化物イオン / 二酸化炭素 / 炭酸塩 / ハイドロタルサイト / 複水酸化物 |
Research Abstract |
1.MgOを主剤とする土壌固化剤の基礎反応:MgOをフッ化物イオンを含む水に懸濁させると、懸濁時間の経過に伴ってフッ化物イオン濃度が低下することを見出し、温度、二酸化炭素の吹き込みがフッ化物イオンの挙動に及ぼす影響を追跡した。二酸化炭素が共在する系では、MgOの水和反応に加えて、MgOの浸出、マグネシウムの炭酸塩の析出が同時に進行する。フッ化物イオンの濃度は、懸濁液のpHおよびMgO粒子表面の変化あるいは炭酸塩の析出が進行しても低い値に留まった。二酸化炭素の分圧が0.01MPa程度ではフッ化物イオン濃度の低下が0.1および0.005MPaにおけるよりもフッ化物イオンの濃度低下が遅くなることが観察された。これらの結果を総合すると、フッ化物イオンが正に帯電しているMgOや炭酸マグネシウムの粒子表面に静電的に固定されるために、非常に低い濃度水準まで溶液から除去されるものと考えられる。MgOの浸出、炭酸塩の析出が遅い中程度の分圧の二酸化炭素の存在下では、フッ化物イオンが固定される粒子表面の形成が遅いためにその除去が遅くなると推定した。MgOを含む土壌固化剤では、水と混練後の凝結過程でいったん土壌から水に溶け出したフッ化物イオンが固化剤粒子に吸着、固定されることが期待される。MgOのカラムに実際の坑廃水を通水してフッ化物イオンが除去されることを確認し、硫酸イオンを含み、空気と接触している坑廃水とMgOとの反応を実地に調べ、フッ化物イオンの除去に有効であることを示した。 2.ハイドロタルサイト様複水酸化物の有機酸イオンのインターカレートによる機能化:有機酸イオンを層間に挿入し有機酸イオンが構造内に有している官能基の作用を利用することを目的として、シュウ酸イオンによる機能化を検証した。シュウ酸イオンは構造が単純であり、機能性原子集団が少ないために、これまでに検証したEDTAやDodecylsulfate, Naphthane Sulphonateと比較するとその機能性の付与効果が小さい。
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Research Products
(3 results)