2003 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒の利用による有機塩素類汚染土壌に対する浄化システム
Project/Area Number |
15310047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 和仁 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00172859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 香矢乃 (財)神奈川科学技術アカデミー, 研究員 (20311433)
大西 伸夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任研究員(常勤形態) (00361684)
入江 寛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70334349)
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Keywords | 酸化チタン光触媒 / 有機塩素化合物 / 土壌汚染 / 吸着剤(活性炭) / 太陽光の利用 / 環境改善 |
Research Abstract |
有害な揮発性有機塩素化合物(VCOCs)の代表的な化合物の1つであるトリクロロエチレン(TCE)は、1970年代から夢の洗浄剤として、半導体工場やクリーニング工場などで大量に使用され、その当時は規制もなく廃棄された結果、負の遺産として土壌や地下水中に蓄積されて土壌汚染を引き起こしている。現状でのTCEなど有機塩素化合物汚染土壌に対する除去の方法は、活性炭への吸着、汚染土壌の廃棄、大気への拡散など、目の前の汚染物質を目のみえないところに移す「移動技術」だけで、地球環境から無くなったわけではなく、本質的な無害化とはなっていない場合が多い。そこで、酸化チタン光触媒シートを用いて、揮発性有機塩素化合物に汚染された土壌の浄化するシステムを考案した。このシステムの特徴は、太陽光と大面積で酸化チタン光触媒を使うことによって、本来、土壌がもっている自浄作用を、代替・促進できるということである。また、汚染土壌現場で土壌を堆積させ、光触媒シートを広げ、生石灰と土壌の水分を用いるなどの方法によって熱を発生させ、その熱によりVCOCsを揮発させ、あとは光触媒による分解・無害化をそのまま待つだけというシステムであるので、たいへん簡便でもある。 このシステムに用いる光触媒シートの材料に関して研究を行い、吸着剤である活性炭と酸化チタンを複合させた材料が、VCOCsやその分解過程で発生する中間体をトラップし、かつ完全にVCOCsを無機化する知見を得た。この知見をもとに、実際の光触媒シートを作製し、実用化に向けて実験室および小規模なフィールドテストを行ったところ効果が認められた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Sunada, T.Watanabe, K.Hashimoto: "Bactericidal Activity of Copper-Deposited TiO_2 Thin Film under Weak UV Light Illumination"Environ.Sci.Technol.. 37. 4785-4789 (2003)
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[Publications] N.Sakai, A.Fujishima, T.Watanabe, K.Hashimoto: "Quantitative Evaluation of the Photoinduced Hydrophilic Conversion Proper-ties of TiO_2 Thin Film Surfaces by the Reciprocal of Contact Angle"J.Phys.Chem.B. 107. 1028-1035 (2003)
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[Publications] H.Noguchi, A.Nakajima, T.Watanabe, K.Hashimoto: "Design of a Photocatalyst for Bromate Decomposition: Surface Modification of TiO_2 by Pseudo-boehmaite"Environ.Sci.Technol.. 37. 153-157 (2003)