2005 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒の利用による有機塩素類汚染土壌に対する浄化システム
Project/Area Number |
15310047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 和仁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00172859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 寛 東京大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70334349)
大西 伸夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任研究員 (00361684)
砂田 香矢乃 財団法人神奈川科学技術アカデミー, 光科学重点研究室, 研究員 (20311433)
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Keywords | 酸化チタン光触媒 / 汚染土壌現地浄化法 / 太陽光の利用 / 環境浄化 / VOCs / 光触媒シート |
Research Abstract |
有害な揮発性有機塩素化合物(VCOCs)で汚染された土壌を、酸化チタン光触媒と太陽光を利用して浄化するシステムを考案した。このシステムの特徴は、酸化チタンを励起するために太陽光という自然エネルギーを利用している点、すなわち、土壌汚染という環境問題を解決するために、電気やガスといった化石燃料からのエネルギーを利用することは、CO_2排出などの新たな環境負荷を産み出すことになるため、自然エネルギーである太陽光を用いて真の環境浄化を目指した点である。もうひとつの特徴は、VCOCsが効率的に分解・無害化できるように、太陽光が当たる酸化チタン面積を稼ぐためのシート化した材料、「光触媒シート」を作製、利用している点である。この光触媒シートは、吸着剤と酸化チタンを複合させた材料でできており、VCOCsやその分解過程で発生する中間体もトラップできること、かつ完全にVCOCsを無機化できる知見を得ている。この光触媒シートを用いて、クリーニング店や中小企業の工場など、操業中で建物や施設がある地下土壌のVCOCs汚染を改善するシステムをデザインし、実際営業中のクリーニング店の地下土壌に対して、実証実験を行った。このシステムは、汚染調査のために掘削した井戸に光触媒シートを詰め、上からファンで吸引することにより、VCOCsをまず光触媒シートに吸着させた後、太陽光に干すことで汚染物質を分解し、光触媒シートを再生、再利用するものである。時間と少しの手間はかかるが、低コストで簡便な方法であり、地下の汚染物質も徐々にではあるが、減少していくことを確認している。このことから、光触媒シートと太陽光でVCOCsに汚染された土壌が実際の現場で、環境に負荷をかけることなく、低コストで浄化できる知見を得た。
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Research Products
(6 results)