2003 Fiscal Year Annual Research Report
高活性脂質分解菌の接種と定着による新規な高速コンポスト化操作
Project/Area Number |
15310050
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
中崎 清彦 静岡大学, 工学部, 教授 (70180263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅田 修一 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90233999)
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Keywords | コンポスト / 脂質分解菌 / 分子生物学的手法 / 菌体接種 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
本研究は、高活性脂質分解菌をコンポスト化過程で接種し、接種した分解菌がコンポスト中に定着し機能するようにコンポスト化プロセスを制御することによって脂質を迅速に分解し、高速で安定的なコンポスト化を達成することを目的としている。 コンポスト原料中にラードを添加し脂質濃度を種々変化させた実験をおこなって、脂質の分解過程を把握するとともに、分解速度についての知見を得た。脂質の分解は脂質抽出分析装置を用いたコンポスト中脂質濃度の分析、分解中間産物である脂肪酸濃度の検出、および完全分解にともなって生成する炭酸ガス発生量の測定によって定量した。ラードの重量割合が乾燥基準で33%以下のときには、ラードもラード以外の有機物も良好に分解されるが、ラードの分解開始までには72時間程度のラグタイムが存在することがわかった。また、コンポスト化8日間で44%ものラードが炭酸ガスにまで分解されることを確かめた。なお、分解の開始時期は脂質濃度を直接定量する方法でも炭酸ガス発生量を測定する方法でも同一時期となり、分解中間体である脂肪酸も極めて低濃度にしか検出されなかった。このことは、脂質はその分解が始まると直ちに炭酸ガスにまで完全分解されることを示すものと考えられた。 また、コンポスト化過程において高い脂質分解活性を示す微生物をトリブチリン含有の選択培地上でスクリーニングしたところ、2株の細菌を単離することができた。そのうち1株はラードが活発に分解されている時期に増殖が著しく、選択培地上に形成するハローも大きいことから特に脂質の分解活性本高いことがわかった。なお、多種類の共存する微生物の中でこの微生物を選択的に検出するために、脂質分解菌の遺伝子解析をおこなって、PCRに用いるプライマーの設計に必要な、菌株の遺伝子配列の特徴を把握することができた。
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