2005 Fiscal Year Annual Research Report
メタンによるNOxの選択還元用ガンマ型アルミニウム-ガリウム複合酸化物触媒の開発
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15310053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 正志 京都大学, 工学研究科, 教授 (30151624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 伸司 京都大学, 工学研究科, 助手 (50252482)
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Keywords | 脱硝反応 / メタン / 窒素酸化物 / ソルボサーマル反応 / γ-アルミナ / ガンマ型酸化ガリウム / 固溶体 / 複合酸化物触媒 |
Research Abstract |
アルミニウムイソプロポキシドとガリウムアセチルアセトナートのソルボサーマル反応によりガンマ型Ga_2O_3-Al_2O_3複合酸化物が直接得られることを見出し、この複合酸化物がメタンを還元剤とする窒素酸化物の除去反応に高い活性を持つことを見出した。特に、ジエチレントリアミンを溶媒に用いて合成した複合酸化物は極めて高い活性を示した。この複合酸化物上での反応機構を検討し、六配位座を占めるアルミニウム上の孤立水酸基上に形成される硝酸イオンと、四配位座を占めるガリウム上で活性化されたメタン間の反応で脱硝反応が進行することを明らかにした。また、還元剤の違いによる窒素酸化物の脱硝率の変化を検討し、エタンやエチレンなどの高級炭化水素を用いると、メタンを用いる場合に比べ活性化が容易なため、メタンを用いる場合よりもさらに高い脱硝率を示すことを見出した。さらに、水の吸着がメタンの活性化を著しく阻害し、触媒の結晶性を増加させることにより、水の吸着量が減少し、脱硝活性を増加させることを明らかにした。前述のジエチレントリアミンを溶媒に用いて合成した複合酸化物が極めて高い結晶性を持つことで、触媒を合成する溶媒と触媒活性の関連も明確にした。また、触媒を亜鉛で修飾することにより、触媒の結晶性が増加し、水存在下での触媒活性が増加すること、触媒をごく少量のアルカリで修飾することにより、望ましくない副反応であるメタンの燃焼を抑制でき、メタンの有効転化率が上昇することも見出した。さらに、高速反応に対応するように、触媒形態を工夫して触媒有効係数を上昇させ、触媒の細孔構造を制御することにより、メタン大過剰の条件ながら、触媒重量当たりの活性で現在工業的に用いられているアンモニア脱硝触媒の活性に匹敵するまでにすることができた。
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Research Products
(6 results)