2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15310057
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
冨田 太平 徳島大学, 工学部, 教授 (50035622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藪谷 智規 徳島大学, 工学部, 助手 (80335786)
加藤 雅裕 徳島大学, 工学部, 講師 (80274257)
杉山 茂 徳島大学, 工学部, 助教授 (70175404)
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Keywords | Incinerator fly ash / Heavy metal / Hollow fiber / Immobilization / Removal of metal ions / Permeation / Calcium hydroxyapatite / Hydrogenphosphates |
Research Abstract |
1)焼却飛灰の分析と金属の溶出 3カ所の焼却炉から焼却飛灰を採取し、塊状のものを粉砕して試料とした。蛍光X線分析装置(購入設備)によって飛灰に含有される元素分析を行った結果、いずれの焼却炉の飛灰にもCa、Cl, K,が多く含まれ、重金属としてはZn, Fe, Tiが含まれることが分かった。バッチ法によって、水を溶離液とした溶出試験の結果、これらの金属は水によっても溶出することが分かった。種々の溶離液について検討する予定である。 2)中空糸膜を用いた金属イオンの回収速度 中空糸膜を金属イオン(モデルイオンとしてCu(II)およびLa(III)を用いた)溶液中に浸し、中空糸膜の中空部に水溶性キレートポリマー(ポリアクリル酸)を流して、水溶液中から金属イオンを回収する方式において金属イオンの回収速度(膜透過速度・総括物質移動係数)を求めた。金属イオンの膜透過過程において、ポリマー液側の境膜、中空糸膜、金属イオン溶液側の境膜での移動抵抗が考えられる。そこで、金属イオン膜透過速度に対する中空糸膜内ポリマー溶液の流速および金属イオン溶液の撹拌速度の影響を検討し、ポリマー溶液側境膜物質移動係数、金属イオン溶液側境膜物質移動係数および多孔質中空糸膜内の有効拡散係数を求めた。中空糸内側境膜における移動抵抗は液流速1cm^3.min^<-1>以上で無視小であり、中空糸外側の境膜移動抵抗は攪拌速度が400rpm以上で無視小であった。また、Cu(II)およびLa(III)の中空糸膜内有効拡散係数値として、それぞれ3.3×10^<-9>m^2.s^<-1>、2.5×10^<-9>m^2.s^<-1>が得られた。 水溶性キレートポリマー溶液中に浸した中空糸膜の中空部に金属イオン溶液を流す単通法において、内径0.4mm,外径1.2mm、長さ110cmの中空糸膜では滞留時間約5分で98%以上のイオンの除去が可能であることが分かった。 3)溶解-沈殿法による金属イオンの固定化 カルシウムヒドロキシアパタイト(CaHAp)によって水溶液中に溶解する金属イオンを固定化する溶解-沈殿法について研究してきた、本研究では、CaHApの代わりに、Na_2HP0_4,K_2HPO_4,MgHPO_4およびCaHPO_4を用いて実験を行い、これらのリン酸塩が水溶液中からPb(II),Cd(II),Co(II),Cu(II)を効率よく除去できることを示した。除去率はCaHApよりも大きい結果となった。この原因として金属イオンリン酸塩の溶解度と水和エンタルピー依存性が考えられる。Pb(II),Cd(II),Co(II)のリン酸塩の構造は溶液のpHによって影響されるが、Cu_2(PO_4)(OH)はアモルファスであることが分かった。Pb(II)の固定化除去についてはMgSO_4およびCaSO_4によっても可能であることが分かった。
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Research Products
(1 results)