2004 Fiscal Year Annual Research Report
生物が有するナノ周期構造の光学機能とその発現機構解明
Project/Area Number |
15310079
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Research Institution | KUMAMOTO NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
松田 豊稔 独立行政法人国立高等専門学校機構, 熊本電波工業高等専門学校・情報通信工学科, 教授 (00157322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 日出男 独立行政法人産業技術総合研究所, サイバーアシス研究センター, 主任研究員 (40356481)
西山 英治 独立行政法人国立高等専門学校機構, 熊本電波工業高等専門学校・情報通信工学科, 助教授 (00237752)
中村 隆 独立行政法人国立高等専門学校機構, 釧路工業高等専門学校・電子工学科, 教授 (40198213)
川野 光則 独立行政法人国立高等専門学校機構, 熊本電波工業高等専門学校・情報通信工学科, 助教授 (20305006)
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Keywords | ナノ周期構造 / 生物 / 回折光学 / シミュレーション / フォトニック結晶 / 構造色 |
Research Abstract |
本研究の目的は、生物体表面で観察される微細構造のなかで、数十から数百ナノメートルオーダの周期構造に着目し、このナノ周期構造が有する光学機能およびその発現機構を解明することである。平成15年度から16年度の研究期間中に下記の研究を行った。 (A)表面観察と形態分析 モルフォ蝶とシジミ蝶の翅の走査型電子顕微鏡による観察を行い、その鱗粉にある周期構造について調べた。そして、モルフォ蝶とシジミ蝶の鱗粉にある微細周期構造をGhiradellaにより報告されている蝶の鱗粉の基本的な構造との違いから形態分析を行った。また、蝶の複眼の角膜を走査型電子顕微鏡で観察し、2次元の周期構造があることを見出した。 (B)蝶の鱗粉(一般に100μm×200μm程度の長方形に近い形状)の光学特性を測定するための顕微分光装置を立ち上げ、この顕微分光装置により、鱗粉1枚(または数枚)の分光反射・透過スペクトル特性を測定した。その結果、青と白の構造色を持つモルフォキプリスの翅(鱗粉)の分光特性を求め、青と白の構造色の発現機構を解明した。 (C)(A)の形態観察をもとに、鱗粉にある周期構造の光学特性を計算機シミュレーションにより求めた。解析法としては、鱗粉の周期構造モデルからの光の回折問題を解析する安浦の方法と、鱗粉を等価薄膜の多層構造により近似した二つの算法を用いて、蝶翅鱗粉及び蝶の複眼にある周期構造の分光特性を調べた。 これらの研究成果を踏まえて、現在、生物が有する微細周期構造の光学機能(構造色とモスアイ効果)を人工的に再現する方法について考察している。
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Research Products
(6 results)