2003 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴走査力顕微鏡技術による交換相互作用の原子分解能検出
Project/Area Number |
15310080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武笠 幸一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00001280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 正志 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20222755)
加茂 直樹 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (10001976)
末岡 和久 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60250479)
松本 和彦 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 総括研究員
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Keywords | 非接触原子間力顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / プローブ顕微鏡 / 交換相互作用 / 強磁性共鳴 / スピン計測 |
Research Abstract |
室温動作の非接触原子間力顕微鏡を用いて、清浄な酸化ニッケル表面を観察することで、交換相互作用検出に関する実験的な知見の蓄積を行った。とくに、鉄、ニッケル、シリコンと探針の材料をかえ、スピンに関する総合作用成分の大きさの比較を行った。これにより、非磁性では観察できないスピン成分が強磁性探針では観察できることが示せたが、強磁性材料による相互作用の大きさの相違については、実験値のばらつきが多く、これを明らかにするに至っていない。このばらつきは測定装置のノイズなどによる測定誤差に起因するものではなく、強磁性体先端部分での磁化方向、磁気異方性など磁気的な性質の違いによるものであると予想される。次年度は、基板となる探針先端部分の形状の制御や単結晶成長などを試み、探針先端部分の磁気状態の制御を目指す。 カンチレバーの先端部分に高周波の給電を可能にするために、MESMプロセスを検討し、4つのリード電極の配置が可能なカンチレバーの自作を行い、強磁性共鳴用カンチレバーを作製するために必要なプロセス技術の習得を行った。 さらに、室温非接触原子間力顕微鏡を用いて、接触電位差の動的な補償が可能になるように、ケルビンプローブ機能の追加を行い、その動作を確認した。 極低温非接触原子間力顕微鏡システムの全体構成について検討し、それに必要な要件から、光干渉タイプの非接触原子間力顕微鏡ヘッド部の設計を作製を行った。さらに、高磁場の発生機構、高局波の導入方法を検討し、強磁性共鳴と組み合わせて、より汎用的な交換相互作用測定が可能な計測系全体の設計について検討した。
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