2004 Fiscal Year Annual Research Report
IV属半導体高指数表面の制御による量子ドットの制御及びナノ構造の作製
Project/Area Number |
15310081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤川 安仁 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70312642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡(STM) / 原子間力顕微鏡(AFM) / IV属半導体 / 高指数表面 |
Research Abstract |
Ge(105)表面構造自体については東京大学物性研との共同研究によりAFMによる表面構造の研究を継続して行った。その結果、我々の提案した構造モデルによって予測される表面上に於ける電荷移動の効果による表面ポテンシャルの変化をケルビン力顕微鏡法の併用によって原子分解能レベルで直接観察する事に成功した。本研究の成果は我々の知る限りにおいて原子分解能でのポテンシャル観察の世界で初めての成功例であり、Phys.Rev.Lett.誌に掲載されている。 さらにGe(105)の水素終端表面の性質については、前年得られた実験的データを基に理論的な解明を産総研グループとの共同でさらに進め、表面の歪みの水素吸着による増加効果をエネルギー計算の他表面との比較などを通じて確立した。本研究の成果は表面における吸着による歪み制御という非常にユニークな側面を持っており、同じくPhys.Rev.Lett.誌に掲載されている。さらに、この水素吸着現象を細かく解析するため、水素吸着の初期過程についても研究を進め、初期水素吸着による孤立した水素吸着サイトに対応する4通りのSTM像を観察することに成功し、理論計算より得られたSTM像との一致を見た。この結果も我々が先に提案した構造モデルの妥当性を示しているものと考えられる。また、水素吸着表面をもつGe(105)のバンド計算の結果から、この薄膜の伝導帯でΓ点の挙動が直接遷移実現に近づく方向でバルクより変化している事が判明した。この事は吸着による薄膜物性の制御の可能性を示していると考えられる。
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Research Products
(2 results)