2004 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子機能解析のためのRNA干渉誘導マイクロアレイ
Project/Area Number |
15310090
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 功一 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (50283875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
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Keywords | RNA干渉 / 遺伝子機能解析 / ハイスループット分析 / 微細加工 / 細胞マイクロアレイ / トランスフェクショナルアレイ / 自己組織化単分子膜 / マイクロパターン化表面 |
Research Abstract |
ゲノム解読のよってもたらせれた数万種類に及ぶ新規遺伝子の機能解析を行うためには、多種類の遺伝子の過剰発現やノックアウトを短時間の内に効率よく行うことのできる技術が不可欠である。本研究では、RNAiを利用して多数の遺伝子の機能を細胞レベルで迅速に分析することのできるsiRNA導入用マイクロアレイの作製を目的としてきた。本年度は、アレイに搭載するsiRNAとして、完全長cDNAを鋳型として合成した長鎖dsRNAを、さらにリボヌクレアーゼ(dicer)で分解して得られるRNA(d-siRNA)を用いることを中心に検討した。その理由は、多種類の遺伝子の発現を抑制したい場合、従来のsiRNAでは各々の遺伝子について最適なターゲット配列を予め知っておく必要があるのに対して、d-siRNAでは事前の最適化を必要としないためである。アレイの作製には、これまでに開発した方法、すなわち、マイクロパターン化自己組織化単分子膜上にカチオン性脂質とsiRNAの複合体を担持させる手法を用いた。モデル遺伝子として緑色蛍光タンパク質(EGFP)を用い、マイクロアレイ上における細胞(HEK293)へのsiRNAのトランスフェクションおよび同時に導入されたEGFP遺伝子の発現抑制効果について調査した。その結果、パターン化SAMを用いることで、アレイ上に培養された細胞の微小領域に限局してd-siRNA干渉を誘導することができた。その際、担持に用いたd-siRNA溶液の濃度が増大するにつれて発現抑制効果は高くなった。10ng/plのd-siRNA溶液を用いた場合には、83%の発現低下がみられた。また、同時に導入されたプラスミドが代謝されまでの期間、d-siRNAによる遺伝子発現抑制効果は継続した。以上の結果、d-siRNAを用いたRNA干渉誘導マイクロアレイの有効性が実証されたものと考える。
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