2005 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子機能解析のためのRNA干渉誘導マイクロアレイ
Project/Area Number |
15310090
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 功一 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (50283875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
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Keywords | RNA干渉 / 遺伝子機能解析 / ハイスループット分析 / 微細加工 / 細胞アレイ / トランスフェクショナルアレイ / 自己組織化単分子膜 / エレクトロポレーション |
Research Abstract |
ゲノム解読によってもたらされた数万種類に及ぶ新規遺伝子の機能解析を行うためには、多種類の遺伝子の過剰発現やノックアウトを短時間の内に効率よく行うことのできる技術が不可欠である。本研究では、RNA干渉を利用して多数の遺伝子の機能を細胞レベルで迅速に分析することのできるsmall-interfering RNA(siRNA)導入用マイクロアレイの作製を目的としてきた。 最終年度に当たるH17年度は、マイクロアレイに搭載されたsiRNAを、これまで以上の高い効率で細胞内に導入するための手法についてさらに研究を進めた。すなわち、これまでに採用してきたカチオン性脂質を利用する方法とは異なり、高電圧パルスを利用するエレクトロポレーション法による導入を試みた。まず、カチオン性高分子であるポリエチレンイミンとsiRNAの高分子電解質複合体形成を利用して電極基板上にsiRNAを担持し、その表面にHEK293細胞を播種した。細胞がアレイに接着した後、約20〜40V/cmの電場強度で電気パルスを印加することで、siRNAのアレイからの脱離と細胞への導入を行わせた。アレイの作製条件、電気パルスの印加条件、評価法などを最適化することで、高い効率でsiRNAの導入が可能で、その結果としてsiRNAと同時に導入された遺伝子(発現プラスミド)の発現を高い効率で抑制することが可能であった。また、本手法では、電気パルスが印加されて初めてsiRNAの導入が起こるため、遺伝子発現を抑制する時期を任意に設定できる可能性があるものと考えられる。 以上のように、本課題では、siRNA導入用アレイの試作とsiRNA導入方法の開発を中心に進めた。これは、研究を進める中で、siRNAの導入効率の向上が最重要課題であるとの認識に至ったためである。このような理由で、当初予定していたsiRNA導入アレイの有効性を検証するためのより実際的な生物学的試験については検討することができなかった。
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