2005 Fiscal Year Annual Research Report
MEMS技術による超高分解能リングレーザジャイロスコープに関する研究
Project/Area Number |
15310107
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
前中 一介 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70173721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 洋一郎 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90336826)
藤田 孝之 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50336830)
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Keywords | MEMS / ジャイロ / 角速度センサ / 異方性エッチング / RLG / ミラー / 周回光路 / (111)面 |
Research Abstract |
本年度の研究は、昨年度から継続して行っているミラー・樹脂形成のためのハーフトーン露光装置の運用と条件確定、CODE-Vによるレーザダイオードとボールレンズ接合の最適値設計と試作、全ミラー表面の赤外レーザ光反射率向上のためのミラー面への金薄膜形成技術の確立、干渉光取り出し用樹脂プリズムの特性詳細評価などを行い、リングレーザジャイロとしての基本的構造をくみ上げた。まず、ハーフトーン露光装置についてはSU-8の3次元リソが適正に行え、傾斜面を任意に設定できる構造が実現できることを示し、レーザダイオード用保持機構、ボールレンズ保持機構を構成することができることを実験的に示した。また、光学シミュレータCODE-Vを導入し、レンズ系の光学設計を新たに行って、定量的に設計の指針を得ることができた。これによってレーザダイオードのコリメートを従来設計のシリンドリカルレンズに対し大幅に向上することができた。つぎに、全反射ミラーについて、本システムでは赤外レーザを効率よく反射させるために金の薄膜のコーティングが必要であり、これまでこのコーティングは(ミラーが複数あるため)複数回の、密着強度向上のためのクロムの蒸着、その上への金の蒸着、というように比較的手数が必要な工程を行ってきた。我々は、この工程を簡略化するために、シリコンミラー上へ直接金メッキを行う手法を見いだした。これによってミラー面薄膜形成は簡易なメッキ工程で形成でき、またハーフミラーとなるべきミラーには選択的にメッキを行わないこともできる。メッキ面は光学ミラーとして十分小さな表面荒さをもち、赤外光周回に極めて単純な作業で大きな反射率を持つミラーを形成することができる。最後に干渉光取り出し用樹脂プリズムの特性評価の結果、システムとして適切な分光特性を持ちうることを明らかにした。以上、MEMSリングレーザジャイロの基礎技術を確立した。
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