2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸化物薄膜のナノ爆発による金属ナノ微粒子3次元配列構造作製と特性解析
Project/Area Number |
15310108
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Research Institution | NATIONAL INSTITUTE OF ADVANCED INDUSTRIAL SCIENCE AND TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
中野 隆志 独立行政法人産業技術総合研究所, 近接場光応用工学研究センター, 研究チーム長 (90254432)
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Keywords | フォトニック結晶 / 光ディスク / スーパーレンズ / 金属酸化物 / 相変化材料 / 近接場光学 / 局在プラズモン / 構造性複屈折 |
Research Abstract |
本課題では、金属酸化物を含む多層膜構造にレーザー光を照射したときに生じるナノ爆発を微細加工方法として応用し、金属ナノ微粒子の3次元配列構造の高速度作製方法の確立し、本構造を利用した複合光学素子の実現を図ることを最終目的として、研究を行った。 本年度は、昨年度の解析結果と基礎実験で得られたピット形成の条件を基に、本科研費によって導入したナノメートル制御の精密駆動装置を、既存のレーザー描画装置(波長405nm:青色半導体レーザー、NA 0.9:対物レンズ)の試料ステージの駆動部分に導入し、ナノピットパターン作製を行った。本装置を用いて、100μm角のエリアにピットを形成することはできたが、レーザー光の集束が収差等の影響で設計値どおりにならず、ピットサイズが400nmを越えてしまった。そのため、作製した光学素子の偏光特性等を測定したが、際だった特性を得ることは出来なかった。今後、装置性能を向上させ、目的の光学デバイスの作製を行ないたい。 本研究では、前年度、加工対象を高速回転させた動的条件で100nm以下のナノ構造形成を達成し、今年度、静的環境下でのナノ構造の構築を確認した。これらのことから、本科研費を持ちたい研究で、提案した金属酸化物薄膜のナノ爆発を用いた微細ピット構造の加工技術は、十分確立することができたと考える。 また、今年度は金属酸化物薄膜のナノ爆発でできた構造をマスク層として用いてドライエッチングの手法で微細構造を基板に転写する方法を、深い3次元構造を実現する加工法として評価した。その結果、アスペクト比が高い100nm以下のピット(200nm以下の間隔)が大面積(直径12cm)に安定して形成できることを確認した。また、これらの構造に金属膜や、金属微粒子を含んだ誘電体膜をスパッタ装置で製膜することで、光学素子として利用できると考えている。
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Research Products
(2 results)