2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15310115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古田 一雄 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50199436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 圭一 ドイツ国際大学, 情報技術学部, 助教授
吉村 忍 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90201053)
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Keywords | 安全規制 / 技術基準 / 公認険査機関 / 公認検査員 / 品質保証 / 社会シミュレーション / マルチエージェントモデル / 安全文化 |
Research Abstract |
原子力安全規制を例に、まずわが国及び米国の安全規制システムの現状と動向について調査した。その結果、米国では規制において民間技術基準を連邦法や規制指針が読込んでいるのに対し、わが国では法律のしたに省令や告示があってこれらが細かな技術基準を定めていることがわかった。また、事業者の保安活動が技術基準を満たしているかどうかを検査する体制についても、米国では米国機械学会などの公益団体が検査機関や検査員の認定・認証を行っている。原子力発電所の設備検査を行う公認検査機関は米国機械学会が認定しており、そこで実際に検査を行う検査員、検査監督員の資格はNBBIという業界団体が養成・認証を行っている。これに対して、わが国ではこうした制度がなく、規制行政当局やその担当者の技術的能力に対する認定・認証が暖昧であることを明らかにした。 つぎに、安全規制システムの評価を行うためのモデルについて検討した。モデルでは、事業者が事業リソースを生産活動と安全管理に分配し、その結果によって設備の稼働率と信頼性(自己確率)が決るという概念的なモデルである。生産による利益と設備信頼性とは.トレードオフの関係にあるが、設備が事故を起すとその結果損害が生じるので、最も高い収益を得るようなリソース分配の最適点が存在する。事業者が事故のリスクをどの程度認識するかは、事業者の安全文化に依存するパラメータによって決定される。このような事業者を多数含む社会シミュレーションモデルを構築し、シミュレータの基本設計を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Furuta, K., Ogure, T., Ujita, H.: "Nuclear Safety Ontology - Basis for Sharing Relevant Knowledge among Society -"Proc.1st Int.Symp.Systems and Human Science for Safety, Security and Dependability. (CD-ROM). (2003)
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[Publications] 古田一雄: "いわゆる「東電問題」に見る原子カリスク・ガバナンスの問題"第33回安全工学シンポジウム講演予稿集. 244-247 (2003)
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[Publications] 古田一雄: "安全性に係わる社会問題解決のための知識体系の構築"第4回SICEシステムインテグレーション部門講演会予稿集. IC3-1 (2003)