2005 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系による予測とリアル・オプション評価を用いたシステムリスク分析・制御の研究
Project/Area Number |
15310120
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
時永 祥三 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (30124134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 誠一 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (90037284)
中井 達 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (20145808)
古川 哲也 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (00209165)
森保 洋 長崎大学, 経済学部, 助教授 (10304924)
池田 欽一 信州大学, 経済学部, 助教授 (10334880)
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Keywords | 複雑系 / リスク分析 / リアルオプション / 予測と制御 / 遺伝的手法 |
Research Abstract |
複雑系を用いた予測とリアル・オプション評価を利用したシステムリスク分析と制御に関する今回の研究においては,研究を段階的に進める計画であり,(1)リアル・オプションによるリスク評価と動的計画法による定式化、(2)複雑系の基礎理論の整備,特に遺伝的手法の新しい展開、(3)サービス施設や事業評価などの現状の分析、(4)不確実性を記述するモデルとしての複雑系理論の整備,現実データの解析,(5)企業レベル,経済社会のマクロレベルでのシステム記述と複雑系理論による予測と動的最適化の5つの分けて実施した。研究計画の初年度において理論的な基礎を確立し,第2年度においては,これを適用した結果の蓄積と,経済社会のおけるさまざまな組織(行政,企業)における意思決定に適用可能なシステムを構成してきた。第3年度にあたる平成17年までに、リアル・オプション手法の理論的な検証を終えることとし、この年以降は実際的なデータを用いたリスク回避の実施可能性の検証を行ってきた。具体的には主として対象を企業のリスク管理やネットワーク運用など市場における消費者の心理、サービス施設を訪れる市民の心理、あるいは災害や緊急事態における変動的な環境、集団の挙動を抑制するメカニズムなどへの応用を考察してきた。リスクをともなう状況を客のpricingとそれに応えるべく整備されたファシリティとの関係として捉え、このファシリティの容量が需要をはるかに超える場合に変動が発生するとモデル化した。システムの挙動を観測データから推定し、カオス力学系の理論により入力を推定することにより、円滑に安定点へと移行させる制御方法を提案した。
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Research Products
(7 results)