2003 Fiscal Year Annual Research Report
高温火山ガスから発生するSPMの観測と発生メカニズム
Project/Area Number |
15310126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大場 武 東京工業大学, 火山流体研究センター, 助教授 (60203915)
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Keywords | SPM / 火山ガス / 硫黄同位対比 / 活火山 / 噴火 |
Research Abstract |
1.SPM発生装置の設計と物品購入 SPMの発生メカニズムを構成する重要な要素としてSPMの発生効率があげられる.SPM発生効率を正確に見積もるには実際の火山における観測にくわえて,高温火山ガスを人工的に発生させ,SPMの発生効率を調べるのが有効である.それを実現するための装置の設計と必要な液送ポンプなどの部品調達を行った.来年度以降に装置を組み立てSPMの人工的な発生とその発生効率測定,気相とSPM間の硫黄同位体比分別測定などを実施する予定である. 2.三宅島での火山ガス観測 三宅島では大量の火山ガスが放出され,一部はSPMとなって山麓に拡散分布している.火山ガスとSPMを山麓で安全に捕獲するアルカリ溶液トラップを島内に設置して吸収された硫黄化合物の同位体比を測定した.また硫黄同位体比の吸収にともなう同位体比分別を測定する室内実験を実行した. 3.伊豆大島での火山ガス観測 伊豆大島は過去の噴火活動パターンから推測すると,今後数年以内に火山活動が活発化する可能性が高い.来るべき噴火の際には大量のSPMも火口から放出されると予測される.現在も山頂域にはいくつか噴気孔が存在し,その噴気を採取し,化学組成,同位体比を測定した.その結果,現在の噴気には硫黄化合物はほとんど含まれず,噴気は水蒸気と二酸化炭素からなることが判明した.噴気の発生メカニズムとして,地熱により蒸気化した天水とマグマ性ガスが地下で混合し,地表まで達する間に相当部分が凝縮して失われ,地表に噴気として現れると推定された.
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