2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロリンペプチド異性化翻訳後修飾酵素の基質蛋白質フォーカスドプロテオミクス解析
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15310139
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Research Institution | National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高橋 信弘 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (80293017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘川 宏之 東京大学, 大学院・農学生命研究科, 講師 (60251576)
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Keywords | プロリン異性化酵素 / 機能プロテオミクス / タンパク質相互作用 / 酵素基質 / 免疫抑制剤 / プロテオーム解析 / ゲノム科学 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
本年度は、シクロフィリン・FKBPのアイソフォーム遺伝子のクローニングと発現ベクターの作製を継続し、昨年度までのものも合わせてシクロフィリンイソタイプ遺伝子9種類、FKBPイソタイプ遺伝子11種類、そして、parvulinのイソタイプ2種類の合計22種類の遺伝子を得た。これらを293EBNA細胞に別々に発現させ、アフィニティー精製後、ESI-LC-MS/MSで分析するショットガン法とペプチドマスフィンガープリント法を併用することで同定した。また、必要に応じてシクロスポリンとFK506を用い相互作用基質蛋白質と競争反応を行った後で同様の操作を行いこれらの化合物で結合が阻害されるものの同定も試みた。その結果、PPIaseと結合する蛋白質約200種類の同定に成功した。これらには蛋白質代謝・細胞周期・細胞増殖及び維持・転写・ストレス応答・蛋白質分解・リボソーム合成・DNA代謝・RNAプロセッシング・蛋白質運搬・物質運搬・蛋白質生合成などの広範な機能を持つ蛋白質が含まれ、PPIaseが広範囲の蛋白質に対して作用していることを示している。これらの中で、CyPGがRNAスプライシングに関わる一群の蛋白質に作用していること、FKBP25及びparvulin14がリボソーム生合成に関わる多くの蛋白質に作用していることが示された。特に、parvulin14がリボソーム合成の初期段階に関与すると考えられる40種類以上のトランス因子のリボソーム前駆体上へのリクルートに関与する働きをしている可能性が示されたことは注目に値する。PPIaseが作用する蛋白質を網羅的に探索する試みとしては、本研究が初めてであり、今までPPIaseが作用することが知られていない極めて多くの蛋白質を同定したことは、関連する研究分野への基礎的データを提供することができただけでなく、新しい視点からの研究の促進を期待できる。
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Research Products
(4 results)