2005 Fiscal Year Annual Research Report
高性能RFHR・2D・PAGEによる一細胞一分子プロテオーム解析
Project/Area Number |
15310142
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
和田 明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (80025387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 秀司 大阪医科大学, 医学部, 講師 (60288735)
境 晶子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30225750)
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Keywords | 蛋白質 / 2次元電気泳動法 / RFHR法 / IPG法 / 等電点 / 定常期 / 対数期 / 質量分析 |
Research Abstract |
今年度は研究目的として、プロテオミクスの新たなツールRFHR2次元電気泳動法の更なる性能向上を掲げ、以下の3点を実施することにした。 1.検出・同定能力の更なる向上を目指す試み 特に中性〜酸性領域の分離能向上を最大の課題として取り組んだ。現行の0次元泳動の濃縮過程は負極方向であり、主として塩基性領域に向いている。これを中性〜酸性領域に適用するため、Cl^-をleading ionに、Argをtrailing ionに用い正極に向かう0次元を、pIが10以下の蛋白質を網羅的に収容できるように改良した。もう一つはより根本的な改良であるが、0次元泳動後0次元ゲルからサンプルゲルを作成して1次元ゲルの途中に挿入する方式に代えて、0次元のバッファーは用いるが、0次元ゲルを廃止して1次元ゲルに直接濃縮詠動させ、その後1次元のバッファーに代えて1次元泳動を行う方式を検討した。結果はスポットを鮮明にさせるのに顕著な効果があることを示した。三つ目としてゲルバッファーへのチオウレアの導入が蛋白可溶化に有効であることが明らかになった。今後は、チオウレアが泳動速度に与える影響を調査しなければならない。 2.大腸菌のプロテオミクス 大腸菌蛋白質の同定数を増やす計画は進展しなかったが、むしろ1.の方法の改良を待ってから取り掛かるべきだとの判断である。今までに達成した分離能の向上によって2次元ゲル上で検出できるスポットの数は銀染色で1200に近づくと考えられ、同定数の目標1000も近い将来、より現実的なものになるであろう。 3.真核生物のプロテオミクス ラットは計画に沿って進行中であるが、それ以上にヒト疾患プロテオミクスの具体化がスピードアップし始めた。現在大腸がんのcell lineとその抗がん剤5FU抵抗性のcell lineの比較を始めており、極めて興味ある結果が出始めている。今後変化する蛋白質を同定し、変化に繋がる蛋白質を突き止める方向に実験を進めたい。
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Research Products
(7 results)