2005 Fiscal Year Annual Research Report
完全重水素化基質を用いたイソプレノイド類の代謝反応機構化学の解明およびその応用
Project/Area Number |
15310146
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
江口 正 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60201365)
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Keywords | イソプレノイド / 生合成 / 安定同位体標識 / 完全重水素化メバロン酸 |
Research Abstract |
本申請者らは、完全重水素化メバロン酸の取り込み実験を行い、生合成過程で導入される軽水素を^1H-NMRで解析するという独自な方法論を開発した.これらの成果を背景として、本研究ではこの手法を幅広くイソプレノイド化合物に応用し、イソプレノイド化合物生合成機構解明、生理活性天然物の作用機作解明のためのプローブ調製への展開へと応用することを目的としている。 まず、イソプレノイド化合物生合成機構解明では、抗真菌活性を有する四環性ジテルペングリコシドZofimarinについて完全重水素化メバロン酸の取り込み実験を行った。また、その生合成中間体もP_<450>酸化酵素の阻害剤と知られているウニコナゾールおよび完全重水素化メバロン酸の投与により、重水素化生合成中間体のを調製し、その中間体が真の生合成中間体であることをその取り込み実験により明らかにした。その結果、Zofimarinはメバロン酸経路により生成したゲラニルゲラニルニリン酸から、一度5-8-5縮環系を構築し、その後炭素-炭素結合の酸化的切断が起き、分子内Diels-Alder反応により生合成されることを明らかにした。 また、前年度に調製した高度重水素化β-カロテン、リコペンを同位体希釈の方法で内部標準として、培養植物細胞及びその抽出物中の種々のカロテノイドの分布をMALDI-TOF/MSで分析した。その結果、通常の分析で必要とされる前処理無しに、種々のカロテノイドをピコモルレベルの高感度で分析できることを明らかにした。本手法による高度重水素化イソプレノイド調製法の有用性を示している。
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Research Products
(1 results)