2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞情報伝達阻害物質の探索と天然分子プローブの創製
Project/Area Number |
15310148
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 資正 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40116033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 俊二 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (60252699)
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Keywords | 海洋生物 / CDKインヒビター / 天然分子プローブ / 海綿 / 細胞周期制御 / p21プロモーター遺伝子 |
Research Abstract |
未解明の細胞内情報伝達機構を詳細に明らかにすることが、細胞内情報伝達機構の破綻による疾病の発症メカニズムを解明し、新たな治療法の開発につながると期待される。本研究では、1)特にがんと神経変性疾患に着目し、これら疾患に関わる細胞内情報伝達系に特異的に作用する機能性低分子化合物を探索するアッセイ系を構築し、これまでに集めた海綿を中心とする海洋生物の抽出エキスライブラリーから探索する。2)そして新たに発見した阻害物質とそれらから設計・合成した光親和性放射性標識体やビオチン標識体なとの各種の天然分子プローブを用いて標的分子を同定し、細胞内情報伝達系への作用機構を解析する。今年度は、がんの無限増殖の一因と考えられる細胞周期制御に関わる一連のタンパク質の異常に着目し、活性物質の探索を行った。すなわち、細胞周期におけるブレーキの役目をするCDK inhibitorであるP21の発現を上昇させる化合物を探索するためにp21プロモーターの転写活性を化学的に検知できるアッセイ系を構築した。p53ネガティブ細胞であるMG63(ヒト骨肉腫)に、p21プロモーター遺伝子およびルシフェラーゼレポーター遺伝子を導入した細胞を用いてp21プロモーターの転写活性化を評価した結果、アユルヴェーダ生薬Sida cordifoliaから活性本体としてindoloquinoline型アルカロイドcryptolepineを単離した。また同様に、インドネシアで採集した海綿Aaptos suberitoidesからbenzonaphthyridine型アルカロイドaaptamineを単離した。これらの化合物について細胞周期に対する作用やp21プロモーター領域に対する作用など詳細な解析を行った。
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Research Products
(7 results)