2003 Fiscal Year Annual Research Report
固相法と固相―液相ハイブリッド法による糖鎖の迅速合成とライブラリー合成
Project/Area Number |
15310149
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深瀬 浩一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80192722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 ゆかり 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00362616)
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Keywords | 固相合成 / 固相-液相ハイブリッド合成 / 糖鎖合成 / グリコシル化 / マンノシル化 / ペプチドグリカン / リピドA / 迅速合成 |
Research Abstract |
我々は固相-液相ハイブリッド合成法として、タグとタグ認識分子の特異的なアフィニティーを利用してタグの結合した化合物を分離する手法を開発し、Synthesis based on affinity separation(SAS)と名付けた。本年度はより汎用性の高いSAS法を目指し、ポダンド型エーテルとアンモニウム塩との相互作用を利用した方法について検討し、この手法を用いて複数のオリゴ糖合成に成功した。さらにSAS法の汎用性を示すために、この方法を適用したリピドA類縁体の合成を進めた。 一方ペプチドグリカン部分構造の合成においては、現在のところSAS法を用いないで合成を行っている。以前に合成した四糖、八糖ジペプチドに加え、四糖にオリゴペプチドが結合した構造の合合成に戌功し、これらの合成部分構造を用いてペプチドグリカンの受容体が細胞内のタンパク質NOD2であることを見出した。 固相合成研究については、従来から行ってきた4-アジド-3-クロロベンジル基を鍵保護基に用いたフィトアレキシン5糖の固相合成を完成させた。 N-結合型糖蛋白質糖鎖の固相合成を目指し、その基本構造であるマンノシルβ(1-4)グルコサミンの実用的な合成法について検討した。β-選択的マンノシル化は熱力学的、立体障害的にも不利であり、これを行うためには、α-チオマンノシド糖供与体に対してS_N2型の反応を行うことにより1位アノマー位の反転を伴ってグリコシド結合を形成させる必要がある。マンノースの4.6位をベンジリデン基で保護すると立体障害が低減することが報告されていたので、これを採用し、さらに我々が見出したN-トリクロロエトキシカルボニルグルコサミンの4位水酸基の高い反応性を利用し、活性化剤にPhlO-Cp_2ZrCl_2AgOTfを用いることで、高い選択性でマンノシルβ(1-4)グルコサミンの合成に成功した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Kusamoto, K.Fukase: "Structural basis for endotoxic and antagonistic activities : investigation with novel synthetic lipid A analogs"Journal of Endotoxin Research. 9・6. 361-366 (2003)
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[Publications] Z.M.Wang, K.Fukase: "Human peptidoglycan reognition protein-L is an N-acetyl muramyl-L-alanine amidase"Journal of Biological Chemistry. 278・49. 49044-49052 (2003)
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[Publications] S.Akashi, K.Fukase: "Lipopolysaccharide interaction with cell surface Toll-like receptor 4-MD-2 : Higher affinity than that with MD-2 or CD-14"Journal of Experimental Medicine. 198・7. 1035-1042 (2003)
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[Publications] R.Haase, K.Fukase: "A dominant role of Toll-like receptor 4 in the signaling of apotosis in bacteria-faced macrophages"Journal of Immunology. 171・8. 4294-4303 (2003)
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[Publications] K.Egusa, K.Fukase: "Solid-phase synthesis of a phytoalexin elicitor pentasaccharide using a 4-azido-3-chlorobenzyl group"European Journal of Organic Chemistry. 17. 3435-3445 (2003)
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[Publications] M.Chamaillard, K.Fukase: "An essential role for NOP1 in host recognition of bacterial peptidoglycan containing diaminopimelic acid"Nature Immunology. 4・7. 702-707 (2003)
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[Publications] 日本化学会編, 深瀬浩一他: "先端化学シリーズV 海洋天然物,錯体,コンビナトリアル,全合成「液相系迅速合成におけるphase tagの利用」"丸善株式会社. 332 (2003)