2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子進化解析と個体NMR法を用いた糖転移酵素タンパク質機能部位の解明
Project/Area Number |
15310155
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
斎藤 成也 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (30192587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹腰 清乃理 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10206964)
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Keywords | 糖転移酵素 / 固体NMR / 分子進化 / 大腸菌 / タンパク質立体構造 |
Research Abstract |
昨年度の成果をもとに,大量発現させた大腸菌K12株の遺伝子WaaOの産物のNMRパターンと,その基質であるグルコースを物質量比で500倍程度加え、凍結乾燥後に過剰なグルコースを洗い流した場合のNMRパターンを比較した。添付した図の下が昨年度作製したWaaOのみのスペクトル、上が今回作製したフルラベルグルコースとWaaOの複合体のスペクトルである。60ppmから100ppmにかけて、下のスペクトルにはないピークが上のスペクトルで見られる。左上に示したα、β-Glucoseの化学シフトの表の値にも近く、これらがグルコースの炭素原子からのピークと考えられる。信号強度が弱いため,2次元NMR法によるピークの帰属は出来なかったが、この結果は、WaaO酵素タンパク質にグルコース基質が付着したことを示唆している。十分なタンパク量が得られなかった主な原因として、これまで作製したWaaOは精製過程で沈殿しやすかったことが挙げられる。我々は1段階目の精製に用いるHisタグが沈殿しやすい原因ではないかと考え,ベクターを改良して,1段階目の精製直後にプロテアーゼでHisタグを削除できるようにした。これによって,十分なタンパク量が得られること,また、Hisタグの削除の前後で2回同じカラムによる精製を行うことで,これまで多少残っていた、Hisタグに近い性質を持つ共雑タンパク質がさらに少なくなることが期待される。このため、今後はこれまでより信号強度の面でもピークの線幅の面でも、より改善されたNMRパターンが得られるであろう。一方,大量発現した酵素の活性測定をUDP-glucoseを用いて試みたが,条件設定がはっきりしなかったため,うまくゆかなかった。
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Research Products
(5 results)