2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しい創薬を目指したアラキドン酸代謝系酵素の構造解析
Project/Area Number |
15310158
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
井上 裕康 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (40183743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月原 冨武 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)
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Keywords | プロスタグランジン / 組換え蛋白質 / アラキドン酸 / 創薬 / 大腸菌 / 大量発現 / エイコサノイド / シクロオキシゲナーゼ |
Research Abstract |
平成15年度において、膜結合型PGE合成酵素(mPGES)、5リポキシゲナーゼ活性化蛋白質(FLAP)、核内受容体PPARαを大腸菌で大量発現させることに成功し、それぞれの蛋白質が活性を保持した「生きた」蛋白質であることを確認した。そこで、その成果をふまえ、X線立体構造解析のために蛋白質の精製、結晶化条件の検討を開始した。 大腸菌で大量発現させたFLAPの精製は、超音波処理条件、超遠心条件、種々の界面活性剤の処理条件など条件を検討し、最終的にはResource Qイオンカラムを用いた。現在、結晶化のスクリーニングを行っている。 mPGESは、FLAP同様の膜蛋白質であり、同じ遺伝子ファミリーに属している。したがってFLAPの精製に用いた条件を基本にして精製条件の検討を完了し、結晶化スクリーニングを行っている。しかしながら、結晶構造解析に適した結晶は現在までのところ得られていない。またmPGFSはFLAPに比べ、より不安定であり、それを安定化する条件として、選択的阻害剤MK-886共存下での結晶化も同時に検討している。なお、このMK-886はmPGESの酵素活性阻害剤であるとともに、FLAPに選択的に結合することで、細胞内においては、5-リポキシゲナーゼ活性を阻害することが知れている。そこで、我々が大腸菌で大量に発現させたFLAPがMK-886と結合するかどうかについても現在検討中である。 PPARαリガンド結合領域については、既に結合構造が解かれている。しかし、我々の見いだした植物性ポリフェノール・レスベラトロールとの結合様式は不明である。さらにFLAPやmPGESと結合するMK-886はPPARαアンタゴニストとして報告されているが、やはり結合様式は不明である。そこでこれらリガンドとの結合様式を解明するため、その結晶化を進めている。
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Research Products
(7 results)