2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本近海におけるネズミイルカの混獲状況とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
15310159
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松石 隆 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (60250502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 精英 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 講師 (90325895)
西脇 茂利 財団法人日本鯨類研究所, 調査部・部長
佐々木 正人 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (10134248)
飯田 浩二 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (40142707)
鈴木 健太郎 札幌学院大学, 人文学部, 助教授 (10308223)
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Keywords | ネズミイルカ / ストランディング / 探索行動 / エコロケーション / クリックス |
Research Abstract |
・日本近海におけるネズミイルカの分布と混獲状況について 2004年の北海道函館市臼尻町におけるネズミイルカのストランディング状況を,漁船への乗船および聴き取りによって調査したところ,2004年4月19目に雌1頭(P0401体長122cm),4月25日に性別不明3頭(P0402-4),4月26日に雌1頭(P0405体長122cm),4月27日に雌1頭(P0406体長127cm)の混入があった。この内,P0401,P0405,P0406については収容して北海道大学臼尻水産実験所にて介護した。P0405は収容直後に死亡が確認された。P0401は,この度の混獲以前に受けたと思われる深い刺傷を目に持っていた。P0405について,生殖腺を解剖した結果,未成熟雌であることが確認された。 ・漁網を認知するメカニズムについて 漁網等新規環境に進入したネズミイルカの環境探索の鍵行動を得るために,P0401,P0406について収容直後のクリックス音および行動を収録した。その結果,クリックス数は収容3時間後までに急激に減少した。また,クリックス音の周波数は,次第に減少した。このことから初期探索行動にはクリックスの頻度および周波数が,首振り行動にならび環境探索の鍵行動であると考えられた。 ・パスアビリティーの解明 P0406を水族館にて飼育し,水槽内の行動およびクリックス音を収録した。餌にどのようにアプローチするのかを検討するために,餌に到達するまでの速度を調べた結果,到達までの残り時間(τ)を制御して速度を微調整していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Histological observations on the reproductive organs of harbor porpoises, Phocoena phocoena, caught in a set net installed off Usujiri, southern part of Hokkaido2004
Author(s)
Honma, Y., Ushiki, T., Hashizume, H., Takeda, M., Matsuishi, T., Honno, Y.
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Journal Title
Fisheries Science 70
Pages: 94-99
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