Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 精英 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助教授 (90325895)
佐々木 正人 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (10134248)
飯田 浩二 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (40142707)
鈴木 健太郎 札幌学院大学, 人文学部, 助教授 (10308223)
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Research Abstract |
・来遊時期:日本鯨類研究所ストランディング記録を解析した結果4月5月に報告が集中していた。特に,函館市臼尻での発見が36個体,白老町での発見が7個体と多かった。 ・混獲個体の属性:性別が確認できた個体の性別は雄9個体,7個体であり,有意差は認められなかった。体長を測定できた16個体の内,120cm台が6個体と最も多く,130cm台が5個体,140cm台が3個体であった。150cm台は観測されず,160cm台が2個体(雌)観測された。死亡個体の生殖腺観察結果から,混獲個体の多くは未成熟であることが示唆された。 ・混獲による死亡個体数:収容した10個体の内3個体は,移送直後に死亡した。どの個体も溺死の所見が見られたことから,網内での溺水が死因である可能性が示唆された。 新規環境への順応にかかる時間:混獲後,水槽へ搬入された後の行動を観察した結果,首振り行動の頻度等に変化が見られ,3日目にはほぼ安定したことから数日で新規環境に順応すると考えられた。 ・通過可能間隙幅:水槽内にゲートを設け,ゲートの対岸で餌を提示することによってゲートを通過させた結果,50%通過幅は39cmと狭く,また,馴致にしたがって狭い間隙幅を通過できるようになった。 ・目標物への接近行動:目標物として餌を提示し,接近時の速度変化を,τを指標として調べた結果,時刻に対してτは0に向かってほぼ線形に増加しτは0.772となった。また,到達時間2秒前と0.7秒前にτの変曲点があることから,この付近で認知に変化があったことが示唆された。また,収容直後に円形水槽内で行った観察でも,餌の4m手前で周回行動に変化が見られた。また,接近時のエコロケーションと行動を調べたところ,クリックインターバルが2msと5msにピークがあることから,1.5mと4m先の対象物を目標としてエコロケーションを行っていることが示唆された。
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