2003 Fiscal Year Annual Research Report
群集のプロセスを考慮した生態系管理の奄美大島における実践的試み
Project/Area Number |
15310160
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 健 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90192484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 正策 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00164864)
高槻 成紀 東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (00124595)
宮下 直 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50182019)
関 伸一 森林総合研究所, 九州支所, 研究員 (50343801)
山田 文夫 森林総合研究所, 鳥獣生態研究室, (研究職)研究室長 (10353905)
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Keywords | 生態系管理 / 順応的管理 / 群集プロセス / 食物連鎖 / 多来種 / 奄美大島 / 生物多様性 / 生態系モデル |
Research Abstract |
環境省奄美野生生物保護センターと自然環境研究センターの協力を得て、2002年の奄美大島における外来種マングース駆除事業による捕獲個体数を、環境省3次メッシュの約1km四方の区域別に分析し、累積捕獲個体数の増加曲線をもとにして、生息分布の概要を把握した。この結果をもとに、金作原地区と川内地区の2か所に約500m四方の調査区を設定した。2つの調査区内に、10個ずっとドングリトラップと20個ずつのアカヒゲ用巣箱をを設置し、スダジイの堅果落下数を計数し、アカヒゲの繁殖活動経過をモニターしている。また、プロット内に、20個の自動カメラ100個のネズミトラップ、8個のリターバッグ式の地上性節足動物トラップを設置して、調査区内の主要な動物の相対生息密度をモニターしている。リターバッグの結果では、マングース駆除前の10月と3月の両プロットはリター分解速度と土壌動物組成に差がなかった。この実績報告書を提出する3月に、これらの動物(主にマングース、クマネズミ、アカヒゲ、カマドウマ等大型の地上徘桐生昆虫、イシカワガエル等両生は虫類)の生息状況のモニタリングを実施している。これらの結果から、外来種のマングースの通常の駆除捕獲圧下の動物群集と、食性分析によるプロセスの推定を行う。 この他に、奄美大島全域で、クマネズミ、アマミノクロウサギ、アカヒゲ、イシカワガエル、キノボリトカゲカマトウマ、クチキゴキブリ等の相対的な生息密度の評価を、目視によるセンサス等の方法で記録している。 また、捕獲地点の個別の確認は困難であるが、保健所に集まった有害衛生動物駆除事業によるハブの胃内容物を用いて、奄美大島の森林の食物連鎖の最上位におり、マングースと競争関係、その他の動物の重要な捕食者である可能性の高い、ハブの食性分析を行った。その結果、ハブは、クマネズミ(ないしはトゲネズミ)を多く捕食していた。冬期には、マングースもクマネズミを多く捕食していることから、奄美大島における群集プロセスを理解する上で参考になる知見を確認した。今後、種間相互作用に関する補食率、被食率、増殖率などの重要なパラメータをより現実的に推測できるように、データの収集を継続する。
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Research Products
(1 results)