2005 Fiscal Year Annual Research Report
視覚メディアにあらわれた日露相互のイメージと表象-日露関係の理解のために-
Project/Area Number |
15310169
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 和貴夫 大阪経済法科大学, 教養科目群, 教授 (70029734)
生田 美智子 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (40304068)
木村 崇 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (80065234)
メーリニコワ イリーナ 同志社大学, 語学文化研究教育センター, 教授 (10288607)
井上 泰浩 広島市立大学, 国際学部, 助教授 (50347613)
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Keywords | 日露関係史 / 日露相互観 / 国際研究者交流 / ヴィジュア・メディア / ロシア / ステレオタイプ / イメージ / 日本 |
Research Abstract |
17年度には、研究計画に応じて日露相互のイメージと表象が各々の国の地理的な地域によって差異があるかどうかを調べた。特に、市民を対象に質問票を用いた日本知識・イメージについて社会調査をロシアの西地方サンクトペテルブルクでサンクトペテルブルク国立大学政治経営センターに委託して実施した。そして、同じような調査を関西地方や広島の学生を対象に実施した。現在は井上泰浩、ミハイロバ・ユリア、五十嵐徳子が分析中である。分担者3人木村崇、生田美智子、メーリニコワ・イリーナは第4回International Convention of Asia Scholars会議で「Music, Rituals and Libido」というセッションを開催し、以下のように発表した。木村:「Geisha as Stereotypical Image」,メールニコワ:「The Harbin Nightingale and Moscow Madmen-Jazz-Film, Music and Cultural Identity」、生田:「Diplomatic Rituals as a Mirror of Russo-Japanese Relations」。 ミハイロバはEuropean Association of Japanese Studies第11回学会(8月、Vienna)で「Memories and Identity-Japanese Prisoners of War in the Soviet Union」という発表をした。 本年度3回研究会を行った。第一回研究会(7月17日)ウラジオストクや新潟で行なわれた調査の結果の取り扱い方について検討し、サンクトペテルブルクで行なう調査を準備した。第2と第3の研究会に本研究分担者の以外に専門家を招待し、専門知識を得て、日露相互のイメージなどを討論した。具体的に第2回研究会(11月23日)で以下の発表を聴き、討論した。五十嵐徳子「ロシア人の現代日本人女性のイメージに関する一考察」;A。ブーフ(Alex Bukh)(SOAS, London-早稲田大学)「ポスト冷戦時日本における国民アイデンティティの問題と「他者」:存在論と認識論の立場から」。第3回研究会で以下の発表を聞き、討論した。星山京子(兵庫県立大学)「平田篤胤のロシア研究」;鐸木道剛(岡山大学)「日本人によるイコンの受容:デンベイ、横山松三郎、河野通勢」;トルストグゾフ・セルゲイ(広島大学)「政治漫画に見るソ連解体-『朝日新聞』に基づいて」. ミハイロバ・ユリアはイギリスにおけるKingston Universityへの出張時、現代マス・メディアによる外国について報道のストラーテジに関連して外国人のステレオタイプの固定化、変容化について研究打ち合わせを行い、専門知識を得た。そして、サンクトペテルブルクへの出張時、マス・メディアのコンテキストにおける日露関係について研究打ち合わせを行い、両国の報道のストラーテジを議論した。 市民、学生意識調査を通して分かっていたように日本でも、ロシアでも相互報道はとても不十分であり、あれば、一方的であり、そのために19世紀、20世紀に形成された偏見・固定観は今までに残り、現代の政治、外交分野に影響を与えている。これから視覚メディア、特にテレビやインタネットを利用しながら、以前の欠陥を補わなければならないと結論する。
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Research Products
(7 results)