2006 Fiscal Year Annual Research Report
視覚メディアにあらわれた日露相互のイメージと表象-日露関係の理解のために-
Project/Area Number |
15310169
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 和貴夫 大阪経済法科大学, 教養科目群, 教授 (70029734)
生田 美智子 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (40304068)
木村 崇 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (80065234)
メーリニコワ イリーナ 同志社大学, 語学文化研究教育センター, 教授 (10288607)
井上 泰浩 広島市立大学, 国際学部, 助教授 (50347613)
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Keywords | 日露関係史 / 日露相互観 / 国際研究者交流 / ヴィジュア・メディア / ロシア / ステレオタイプ / イメージ / 日本 |
Research Abstract |
研究最終年度である平成18年度には、研究計画に応じて今までに収集蓄積した個人分担に関わる資料、研究成果及び社会調査結果を理論的に取りまとめ、考察し、研究報告書などの出版準備を行った。そのために、2回(7月1日及び12月9日)研究会を開催し、3月3日に西本日本地区ロシア・東欧研究者集会に際して打ち合わせを行った。第一回の研究会で本研究分担者以外に専門家を招聘し、専門知識を得た。具体的には、クライニュク・ナデージダは「明治時代初頭新聞に見るロシアのイメージ」という発表で近代日本におけるロシアイメージの画期的な転換について説明した。同研究会に井上泰浩はロシアと日本で行われた世論調査の結果について報告した。第二回の研究会で木村崇は「異文化イメージ形成の仕組みについて」理論的に考察した。参加者全員でディスカションを行った。同研究会で分担者全員は世論調査の推計統計の指示について井上泰浩に質疑を行った。 本年度は、世論調査データをコンピュータに入力するために数人を雇用した。研究成果報告書の論文を日本語で出版するためにロシア語と英語で執筆された論文(6個)を和訳した。この仕事に多額の謝金を支払つた。ミハイロバ・ユリアは調査結果・参考文献などの確認のためにサンクトペテルブルクへ出張した。 科研チームの内、研究代表者ミハイロバ・ユリア及び分担者スティール・ウイーリアム、メーリニコワ・イリーナや生田美智子は海外の数人と共同で「Japan and Russia : Three Centuries of Mutual Images」(編集;ミハイロバ・ユリアやスティール・ウイーリアム)を英語刊行のためイギリスの出版社Global Orientalに提出し、現時点で印刷中である。この書籍は日露相互の視覚表象を分析しながら、可視的体験の「なぞ」を調べ、「他者」のイメージの構築は「自己」の国民的、文化的、社会的アイデンティティにどのような影響を与えているかという問題に焦点を当てている。現在、日本語で準備されている報告書(後に論文集として刊行予定)は英語の論文を補い、日本人が持つロシアに対するイメージをもっと詳細に検証し、世論調査に基づいて新しいデータを加え、日露相互のイメージを両国間の政治関係のコンテキストに位置づけることを目指している。
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Research Products
(15 results)