2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15310173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
押川 文子 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター・センター長, 教授 (30280605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 英充 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (20195580)
栗本 英世 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (10192569)
小杉 泰 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (50170254)
臼杵 陽 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター, 教授 (40203525)
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Keywords | 地域研究 / 紛争 / 復興開発 / NGO / 民族 / 宗教 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
計画初年度(平成15年度)は、(a)国際機関、NGO、企業、メディア関係者など専門家・実務家のネットワーク構築、(b)既存の紛争研究の蓄積に関する総合的な調査・分析、(c)開かれた地域研究的紛争プロジェクトの基盤構築の3点を柱に活動を行った。具体的には、研究打ち合わせ1回(5月17日)、研究会3回((1)5月17日「試される『民主主義』:イラク戦争後の中東」、(2)7月8-9日「暴力が止む時」、(3)3月13日「ソ連崩壊後の少数民族社会の変容」)、国際シンポジウムへヘの協力1回(1月10日人社プロジェクト「人間の安全保障」)を組織し、海外派遣4件を行った(黒木英充、イスタンブル、19日間、オスマン帝国末期における民族宗派紛争をめぐる文献資料調査;T.ダダバエフ、カブール、マザリ・シャリフ、9日間、NGOの活動視察、国連関係者と打ち合わせなど;松原正毅、イスタンブル、16日間、トルコにおけるクルド問題;福田義昭、カイロ、20日間、中東における戦争と文学に関する資料収集)。研究会および海外派遣の成果により専門家・実務家を含めた人的ネットワークは確実に拡張しつつある。既存の紛争研究の蓄積を把握し、それをさらに発展させるための準備段階として、研究会(2)においてアフリカの事例による従来の紛争研究のレビュー、旧ユーゴ・中東・中央アジアにおける紛争事例の検討、国際法の立場からの紛争についてのレクチャーが行われた。ここでは本プロジェクトとして「紛争が止む時」というテーマを設定したが、これは今後も継承されうるユニークなテーマとなっている。また、研究会(1)や国際シンポジウム「人間の安全保障」は一般公開で開催されており、プロジェクトの開かれた性格を反映させたものである。次年度以降、現在進行中の世界情勢をも視野に入れた個別研究会の開催のほか、そこでの議論を発展させ、また形成されたネットワークを生かす統合的な活動に重点を移して行く。
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Research Products
(21 results)
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[Publications] 武内進一: "ルワンダにおける二つの紛争-ジェノサイドはいかに可能となったのか"社会科学研究. 第55巻第5・6合併号. 101-129 (2004)
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[Publications] 武内進一: "難民帰還と土地問題-内戦後ルワンダの農村変容"アジア経済. 第44巻第5-6号. 252-275 (2003)
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[Publications] 飯塚正人: "ふつうのムスリムを敵に回さないために"現代思想. 第31巻第5号. 156-161 (2003)
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[Publications] 飯塚正人: "アメリカ一極支配への免疫-中東諸国の無変化に何を読むか"en-taxi. 第2号. 91-94 (2003)
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[Publications] 飯塚正人: "中東諸国におけるイスラム主義勢力の動向"中東諸国における政治情勢及び経済等の現状と今後の展望. 23-32 (2003)
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[Publications] 黒木英充: "あるフランス人通訳にとってのイスタンブル"アジア遊学. 49. 46-53 (2003)
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[Publications] 黒木英充: "いわゆる『テロ』および地域紛争と宗教・文化の関わり"Human Security. No.7. 49-70 (2003)
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[Publications] 黒木英充: "パンドラの箱 北イラクの火薬庫とトルコの苦悩"現代思想 総特集イラク戦争 中東研究者が鳴らす警鐘. vol.31-5. 126-131 (2003)
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[Publications] 黒木英充: "序現代世界と地中海史 第7章東方問題とオスマン帝国の構造変化-一八〜一九世紀半ば"地中海世界史2・多元的世界の展開. 17-24,240-273 (2003)
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[Publications] 小森宏美: "バルト三国の安保戦略とEU・NATO加盟"海外事情. 76-89 (2003)
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[Publications] 帯谷知可: "ウズベキスタン:ブッシュ政権との危うい『同盟』"中央アジアの行方-米ロ中の綱引き. 259-279 (2003)
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[Publications] 大塚和夫: "対イラク戦争と『文明化の使命』"現代思想 総特集イラク戦争 中東研究者が鳴らす警鐘. vol.31-5. 23-31 (2003)
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[Publications] 大塚和夫: "人類学とイスラーム地域研究"イスラーム地域研究の可能性. 77-100 (2003)
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[Publications] 大塚和夫: "文明間対話の基礎づくりにむけて-他者としてのイスラームの事例を中心に"文明間の対話に向けて-共生の比較文明学. 172-191 (2003)
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[Publications] 武内進一 編: "国家・暴力・政治-アジア・アフリカの紛争をめぐって"アジア経済研究所(研究双書). 510 (2003)
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[Publications] Hidemitsu Kuroki (編著): "The Influence of Human Mobility in Muslim Societies"London, Kegan Paul. 326 (2003)
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[Publications] B.ルイス著, 臼杵陽監訳: "イスラム世界はなぜ没落したか?"日本評論社. 288 (2003)
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[Publications] 小松久男, 小杉泰編: "現代イスラーム思想と政治運動"東京大学出版会. 354 (2003)
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[Publications] 酒井啓子著: "イラク戦争と占領"岩波書店. 244 (2004)
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[Publications] Lye Tuck-Po, Wil De Jong, Abe Ken-ichi (eds): "The Political Ecology of Tropical Forests in Southeast Asia"京都大学学術出版会. 293 (2003)
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[Publications] ティムール・ダダバエフ著: "Towards Post-Soviet Central Asian Regional Integration : A Scheme for Transitional States"明石書店. 240 (2004)