2006 Fiscal Year Annual Research Report
擬似法的な倫理からプロセスの倫理へ-「生命倫理」の臨床哲学的変換の試み
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15320003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
紀平 知樹 大阪大学, 文学研究科, 講師 (70346154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中岡 成文 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00137358)
本間 直樹 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 助教授 (90303990)
霜田 求 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90243138)
松葉 祥一 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00295768)
森岡 正博 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (80192780)
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Keywords | 倫理学 / コミュニケーション / スピリチュアリティ / 生命学 / 自然観察会 / 規範倫理学 |
Research Abstract |
・今年度は、本研究課題の最終年度ということもあり、成果報告書の作成に向けて、これまでの研究成果を総括しながらプロセスの倫理の可能性についての研究を行ってきた。 ・日本倫理学会での研究大会では、「倫理学者の棲み分け」についてのワークショップを開催し、生命倫理や環境倫理、情報倫理、工学倫理などさまざまな分野へ分化しつつある倫理学の現在のあり方に関する考察を加えながら、意見交換を行った。特に若手の倫理学研究者をパネリストとして招き、応用倫理学と規範倫理学との架橋がいかにして行われるか、またいわゆるアカデミックな倫理学の議論と、実際の社会で生じている問題との接続をどのように行うべきかについての議論を行った。 ・紀平は、関西倫理学会の研究大会において、質を経済的に評価することの問題点についての発表を行った。 ・現在、ケアの分野で注目されているスピリチュアリティに関する研究会を開催し、一般市民も交えて、討論を行った。スピリチュアリティとは、その社会や風土と切り離して考えることは困難であるとの観点から、民俗学の立場から、日本社会におけるスピリチュアリティの変遷を、特に葬送儀礼の変化という観点から考察した。また在宅医療に関する調査を行っている研究者を招いて、在宅医療におけるスピリチュアリティのあり方についての研究成果発表していただいた。 ・前年度に引き続き、京都の私立高校で哲学の授業を、10回開催し、哲学的コミュニケーションのあり方に関する検討を行った。また大阪府吹田市にある万博記念公園において自然観察会を3度開催し、哲学的コミュニケーションがどのような領域に適用可能かの検討を行ない、プロセスの倫理の可能性を探った。 ・以上のような活動を総括しながら、研究成果報告書の作成を行った。
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Research Products
(10 results)