2004 Fiscal Year Annual Research Report
現代におけるグローバル・エシックス形成のための理論的研究
Project/Area Number |
15320005
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
寺田 俊郎 明治学院大学, 法学部, 助教授 (00339574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟場 保之 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (20379217)
大橋 容一郎 上智大学, 文学部, 教授 (10223926)
小野原 雅夫 福島大学, 教育学部, 助教授 (70261716)
加藤 泰史 南山大学, 外国語学部, 教授 (90183780)
御子柴 善之 早稲田大学, 文学部, 助教授 (20339625)
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Keywords | グローバリゼーション / 倫理 / エシックス / 世界市民 / コスモポリタニズム / 国民国家 / 公共圏 / 公共性 / 9.11 / カント / 永遠平和のために |
Research Abstract |
1 2004年5月に、アメリカ合衆国コネティカット州のホーリー・クロス大学よりチチョバッキ准教授(Prof. Cicovacki)を招き、カント哲学の現代的意義を「メタファー」という観点から検討するとともに、テロリズムの捉え方を戦争との比較という観点から考察した。 2 2004年7月の「グローバル・エシックス研究会:国民国家の再検討」において、国民国家の形成史を踏まえ、「ステイト」・「ネイション」・「ナショナリズム」の概念規定および相互関係を明確化することを試みるとともに、グローバル化する世界における市民的公共圏と国家との関係について検討した。 3 2004年7月に日本を訪れたアメリカ合衆国の<9.11>テロ被害者家族のNGO団体「ピースフル・トゥモロウズ(Peaceful Tomorrows)」の講演会に出席、さらに9月に同団体がニューヨーク市で開催した記念行事に出席して、グローバル・エシックス形成における市民の役割、<9.11>後の合衆国の状況、テロリズムと戦争、憤りと赦しなどについて意見交換した。 4 2004年9月の「グローバル・エシックス研究会:宗教とグローバル・エシックス」において、イスラム教・キリスト教(カトリック・プロテスタント)・ユダヤ教の教義・思想と歴史を踏まえ、戦争・紛争・テロリズムと宗教のかかわりについて検討した。 5 2004年12月の「グローバル・エシックス研究会:グローバル・シティズンシップ」において、日本の難民政策という具体的な観点とバリバール・デリダ・カントなどの市民権の思想という哲学的な観点の両面から、グローバル化する世界におけるシティズンシップ/市民権について考察した。 6 2005年3月の「グローバル・エシックス研究会:国際関係と倫理<人道的介入>を通して考える」において、冷戦後の国際情勢と人道的介入の事例を踏まえ、国際法の可能性と限界、国際法と倫理(道徳・人道)との兼ね合いについて考察した。 7 2004年9月、12月、3月にカントの『永遠平和のために』を試みる研究会を開き、テキストの精確な読解に基づいて、現代における戦争・テロリズム・人道的介入・国家と市民社会などの関係を捉える視点を確立することを試みた。
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Research Products
(7 results)